ウクライナ-港湾状況にご注意ください(その4)
ウクライナとロシアに関する最新のアップデート情報をお知らせいたします。これまでの情報につきましては2022年3月8日付Japan P&I News No.1155をご参照ください。
ウクライナ:
ウクライナでは、引き続き戒厳令と夜間外出禁止令が発令されており、すべての港は出入港もできません。
ロシア:
ロシアの各港は通常運行ですが、アゾフ海は封鎖されています。また、アゾフ海および黒海の北東海域は危険地域と現地コレスポンデンツが注意喚起をしています。Kerch Strait付近では軍事演習が実施されています。Crimea Bridge付近は閉鎖されるという情報もあります。ロシア政府は国際フライトを停止させており、ロシア南部でも飛行制限を課しています。
英国に加えて、カナダもロシア籍・所有・管理・用船・運航船舶の入港を禁止しました。また、EU議会は、必要かつ正当な人道的理由のある場合を除き、最終寄港地または次の寄港地がロシアの船舶のEUの各港への入港を拒否することを求める決議を採択しています。決議がEU委員会で承認されるまでは正式な制裁となりませんが、進展について注意が必要です。
米国、EU、英国は複数のロシアの銀行を制裁対象としています。また、これらの国々は特定の品目についても販売、供給、譲渡または輸出を規制しています。EUの制裁に関しては、2022年3月4日付Japan P&I News No.1152およびNo.1153をそれぞれご参照ください。米国は2022年3月8日および11日付で、ロシアからの輸出および輸入を禁じる品目をそれぞれ新たに発表しました。
一方、ロシア政府は日本を含む各国を「非友好国」に指定し、これらの国々と1か月に1千万ロシアルーブル以上の取引を実施する場合は支払をロシアルーブルで行うよう、ロシア国民・企業・政府に義務付けました。また、肥料の輸出を抑制するように推奨する通知が、省庁から輸出業者に出されました。さらに、輸出の規制対象品目リストも発表されました。ロシアからの穀物や砂糖の輸出は、2022年8月末まで禁止されます。
現在、ロシアにおいてウクライナ人船員に対する出入国管理制限はありませんが、新型コロナウイルス対策のため、船員の陸上休暇は禁じられています。また、ソーシャルメディアやインターネットで過激主義やテロ行為の呼びかけ等をした者は、国籍を問わず罪に問われます。
当該地域へ寄港中、もしくは寄港を予定している船舶は最大の注意を払ってください。
現地の状況変化は予測困難です。当組合でも最新情報が入りましたら適宜ご案内します。同港に入港予定がある場合は、常に現地代理店に最新情報をご確認いただくことをお勧めいたします。