Japan P&I Clubについて

ガバナンスの基本方針

1. 競争法コンプライアンスに係る指針の制定及び改廃

指針は理事会規則第 6 条(1)(ラ)に従う理事会の決議を得て、常務会が制定し、改廃する。

2. 競争法コンプライアンスの事務局
  1. 競争法コンプライアンスに係る業務は、企画部が所掌する。
  2. 競争法コンプライアンスに係る業務は次のとおりとする。
    1. ① 指針の起案及び指針の実施に関すること
    2. ② 競争法上の問題等に関する組合員又は事務局役職員からの相談に関すること
    3. ③ 指針に抵触し又はそのおそれのある行為があった場合の対応に関すること
    4. ④ 競争法コンプライアンスの理解及び増進に関すること
3. 禁止事項

組合員は当組合の活動(当組合が主宰し若しくは共宰する会議及び会合における活動を含む。)に関し、以下の事項について競争法コンプライアンスに違反又は違反の疑いのおそれのある態様により合意し、審議し、協議し、議論し、話合い又は情報交換を行ってはならない。ただし、環境規制、航行安全対策に関するもの等、競争に影響を及ぼすおそれのない事項に関するものを除く。

  1. 運賃その他の対価及び料金その他の運送条件(以下この 1 )において「運賃等」という。)に関する以下のこと
    1. ① 運賃等の決定、維持又は引上げに関すること。
    2. ② 運賃等の構成又は計算等に関すること。
    3. ③ 入札の金額又は条件に関すること。
    4. ④ 運送条件に関すること。
  2. 船隊整備又は経営戦略等に関する以下のこと
    1. ① 船舶の建造、売買その他の船隊整備及び船腹の需給調整に関すること。
    2. ② 航路、配船又は積取りに関すること。
    3. ③ 投資に関すること。
    4. ④ 収支状況に関すること。
    5. ⑤ 市場戦略、経営方針その他の経営戦略に関すること。
  3. 市場割当に関する以下のこと
    地域又は取引先の制限その他市場の割当に関すること。
  4. 商品又は役務の購入に関する以下のこと
    組合員が購入する商品又は役務の対価の決定、維持、引下げ、若しくは引上げに関すること又は供給者の制限に関すること。
  5. その他競争を制限するおそれのあること
  6. 不公正な取引方法に関する以下のこと
    1. ① 競争関係にある他の組合員と共同してする特定の取引先との取引の拒絶(数量又は内容の制限に関することを含む。)に関すること。
    2. ② 競争関係にある他の組合員と共同してする特定の取引先との取引の条件又は実施についての不当な差別的取扱いに関すること。
    3. ③ 当組合から特定の組合員を不当に排除し、又は当組合の内部において特定の組合員を不当に差別的に取り扱い、当該組合員の事業活動を困難にさせることに関すること。
    4. ④ 競争関係にある他の組合員と共同して取引先の事業活動を不当に拘束する条件を付けて当該取引先と取引することに関すること。
    5. ⑤その他不公正な取引方法を用いること
4. 会議等の運営

当組合においては、組合員代表者又は社員等によって構成される理事会及び運営委員会をはじめとする各種委員会、部会及び幹事会等の諸会議又は会合(以下、「会議等」という)を通じて、多くの事業活動が遂行されている。
これらの会議等には、競争関係にある複数の組合員の社員等が参加する。当組合は、会議等の運営に当たり、わが国独占禁止法及び関係法令並びに諸外国の競争法令(以下「競争法」という)の遵守、コンプライアンスを徹底することにより、会議等においてカルテルその他競争法に抵触するおそれのある行為の発生を防止する。
当組合はこの目的のため、会議等を以下のとおり運営する。

  1. 会議等の開催
    1. ① 所掌部署は事前に、会議等の議題及び資料等により、当該会議等における競争法に抵触するおそれのある行為の行われる可能性を審査し、判断が困難な場合は、コンプライアンス担当部署に相談する。
    2. ② 所掌部署は会議等(少人数の打ち合わせを含む。)の開催案内に、当組合の競争法コンプライアンスの取り組みについての文言を挿入する。
    3. ③ 会議等には、競争関係にある組合員のみでの接触を避けるため、事務局役職員1名以上が出席する。
    4. ④ 理事会及び運営委員会には、必要に応じ、弁護士又は組合員のコンプライアンス担当者が同席する。
  2. 会議等の議事進行
    1. ① 議長又は事務局役職員は、会議等の冒頭、当組合競争法コンプライアンス指針に従い競争法上問題になるおそれのあることを審議し、協議し、議論し、又は話合わないことを宣言する。
    2. ② 会議等においては、1)①の事前の審査で競争法に抵触しないと判断された議題についてのみ、また資料等のみを用いて審議し、協議し、議論し、又は話合う。
    3. ③ 議長又は事務局役職員は、会議等において、競争法に抵触するおそれのある発言がなされようとし、又はなされた場合は、発言をやめさせ、発言をやめない場合は、議事録にその旨記載し、直ちに当該会議等を閉会し、その旨、コンプライアンス担当部署に報告する。
      コンプライアンス担当部署は、弁護士と対応について協議する。
  3. 議事録等の作成等
    1. ① 事務局役職員は会議等の終了後、速やかに議事録を作成し、その写しをコンプライアンス担当部署に提出する。
    2. ② 議事録には、議長又は事務局役職員が会議等の冒頭に、2 )①の発言をした旨を記録する。
    3. ③ 議事録の保存期間は、文書規程による。
    4. ④ 経営者又は対価の決定に関与し得る者が会議等に出席する場合には、議事を録音し、議事録の保存期間に準じて保存する。
  4. 会議等以外の会合や打ち合わせ
    競争関係にある当組合の組合員代表者又は社員等が出席する会議等以外の会議、会合又は打ち合わせ等(当組合が関与しないものを除く。)には、事務局役職員1名以上が必ず出席する。これらの会合についても明らかに必要がない場合を除き、速やかに議事録を作成する。ただし、議事録は参加者全員が署名した「議事内容確認書」に替えることができる。
    参加者が議事内容確認書を必要とする場合は、必要な部数を作成して、参加者が署名をして、参加者はこれを持ちかえることができる。議事録又は「議事内容確認書」は担当部署が保管する。
5. 他団体等の会議

組合員代表者又は社員等が当組合を代表して他団体等の会議へ参加する場合、当該団体等の競争法コンプライアンスに随う。ただし、当該団体等が本指針と同等のそれを有していない場合は、当組合の当該会議担当部署が、当該団体等と本指針と同等のコンプライアンス対応を取るよう調整するものとする。

6. 懇親会等

当組合は組合員のみならず、関連業界をはじめとする幅広い関係者を招いた懇親会やパーティー(以下、「懇親会等」という)を主催しており、これらの懇親会等には、競争関係にある組合員の代表者又は社員等が参加する。
当組合は、懇親会等の開催に当たり、競争法の遵守、コンプライアンスを徹底することにより懇親会等において、カルテルその他競争法に抵触するおそれのある行為の発生を防止し、そのような行為が生じた場合の対応について以下のとおり定める。

  1. 懇親会等の開催
    1. ① 懇親会等の開催の案内には、当組合の競争法コンプライアンスの取り組みについての文言を挿入する。
    2. ② 懇親会等においては、競争関係にある組合員のみでの接触を避けるため、事務局役職員1名以上が必ず出席する。
  2. 懇親会等の進行
    1. ① 懇親会等の冒頭、主催者を代表して組合長、運営委員長、理事長又は事務局役職員が、競争法に抵触するおそれのある話題を話し合わない旨を宣言する。
    2. ② 事務局役職員は、懇親会等において、競争法に抵触する発言がなされた場合、発言をやめるよう求め、発言をやめない場合は、直ちに当該参加者を退席させるとともに、その旨、コンプライアンス担当部署に報告し、当該部署はこれを記録する。
      コンプライアンス担当部署は、弁護士と対応について協議する。
7. リスクマネージメント
  1. 研修・セミナー
    当組合の活動は、競争関係にある組合員が接触する機会が多いことから、競争法上のリスクを常に有しているともいえる。このため事務局役職員に対し本指針に基づく取組を徹底させるとともに、競争法に関する理解増進を目的として、識者・専門家を招いた研修・セミナー等を適宜実施する。
  2. 役職員の責務
    事務局役職員は本指針を遵守しなければならない。事務局役職員は当組合の活動に関して本指針に照らして不適切な行為があり又はそのおそれがあると認められた場合、本指針に従って緊急の措置を講じ、かつ速やかにコンプライアンス担当部署に対応措置を照会しなければならない。
    また、事務局役職員は当組合の正式な活動以外の場でも、競争関係にある会社により競争法に照らして不適切な行為が行われないよう十分注意する。

以上