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西アフリカにおけるエボラ出血熱の流行について(その21)

2014/10/23 No.704
  • 外航
当組合コレスポンデンツBudd S.A. Marseille より西アフリカ諸国の措置及び状況に関する取り纏めのアップデートを受領しましたので当組合による試訳とともにご参考に供します(赤字箇所が変更されました)。

試 訳
EBOLA VIRUS – Port in West Africa (20 October 2014)

以下の取り纏めはBudd Groupのネットワークを通じて収集した情報に基づきアップデートされています。状況は常に変化しておりますので、西アフリカ寄港前にコレスポンデンツ又は船舶代理店に確認して下さい。

エボラウィルス流行国(Guinea, Liberia, Sierra Leone)では、体温チェック、塩素溶液での手洗い、手袋/マスクの着用等の衛生措置がとられています。

Angola
Luanda, Lobito, Namibe 港において、エボラウィルス流行国に寄港した船舶の取り扱いについて正式な通達は出ていないが、衛生当局は衛生措置を強化している。

Democratic Republic of Congo からの乗客は Cabinda 入港が認められない。陸上国境は閉鎖されている。

Benin
Cotonou 港で以下の措置を実施する通達が出されている。
  • Cotonou 到着予定 3 日前までに、全ての船舶は直近 10 港の寄港リストを Harbour Master に提出しなければならない。
  • エボラウィルス流行国に寄港した船舶は、感染拡大防止のための必要な装備を本船に所持しなければならない。
  • エボラウィルス流行国に寄港し感染拡大防止のための必要な装備を本船上に所持している船舶は、当局による検査を受け自由移動の許可を受領するまで待機しなければならない。当該許可を得た後Pilot のアシストが得られる。
  • Cotonou 港着桟中は全員が手袋及びマスクを着用すること。

Cameroon
  • Cameroon と Guinea, Sierra Leone, Liberia, Nigeria 間の海上国境閉鎖。
  • 上記エボラウィルス流行国に寄港した船舶は 21 日間隔離。
  • 21 日間の隔離期間後に錨泊地で衛生検査を実施。
  • 船込みのため隔離期間が終了し衛生検査をパスしても即座に着桟できない可能性がある。

Cape Verde
2014 年 9 月 9 日付通達でエボラウィルス流行国から来る船舶に対する入港禁止措置を以下の通り一部
変更。
  • 人道目的、緊急医療目的、経済又はその他関連の公共目的を理由とする場合は、直近 30 日以内にエボラウィルス流行国に滞在した非居住外国人の入国を認めることがある。
  • 申請は National Defense の Manager に行うこと。
  • 回答は電子メールで速やかになされる。

Congo (Democratic Republic)
特別な措置は取られていない。

Congo Pointe Noire
特別な措置は取られていない。

Equatorial Guinea
  • Malabo 港及び Bata 港は、西、中央、東アフリカから来る船舶の着桟を認めない。
  • 中央及び西アフリカから Equatorial Guinea への旅行者に対するビザ発給を停止。
  • Sao Tome et Principe, Cameroon, Ivory Coast, Ghana, Republic of Congo, Benin, Togo, Nigeria, Gabon を離発着するフライトはキャンセル。
  • Equatorial Guinea 政府は、西及び中央アフリカ諸国に対し西又は中央アフリカ諸国への渡航のためのビザ発給を停止するよう要請。
  • Equatorial Guinea でのエボラウィルス感染ケースはない。

Gabon

2014 年 8 月 14 日に以下の措置を実施。
  • Gabon 寄港 3 日前までに、船舶の直近 30 日以内の寄港履歴を提出すること。
  • エボラウィルス流行国に寄港した船舶の着桟を禁止。
  • 船舶及び船員と接触する者はグルーブを着用すること。グローブを着用しない者の乗船を禁止。
  • Pilot 乗船時に Health inspector が乗船。
  • Health inspector が下船するまでその他の者の乗船を禁止。
  • 船員の港湾区域からの外出を禁止。
  • 船員交代を延期すること。
Gambia
  • 21 日以内に Sierra Leone, Liberia, Guinea, Nigeria に寄港した船舶は Health official により検査される。
  • 検査終了まで着桟は認められず、隔離又は入港拒否される場合がある。

Ghana
  • Ghana に寄港する船舶は ETA の 3 日前に現地代理店を通じて港湾衛生当局に次の書類を提出しなければならない。健康申告書、寄港履歴、船員リスト

到着予定時
  • 港湾衛生当局及び入国管理官は着桟を許可する前に錨泊地で船員の検査を実施。
  • 検査費用として USD2,500 を支払う必要あり。当該費用の内訳は、launch hire 費用 USD1,700 及び錨泊地での検査のための入国管理官並びに港湾衛生当局担当者に対する危険手当として一人当たりUSD400 ずつ(2 名でUSD800)である。
  • エボラウィルス感染の疑いがある者が乗船している船舶は 21 日間隔離される。
  • 着桟後、全ての訪船者に乗船前にマスク及び消毒液を提供すること。

Guinea(エボラウィルス流行国)

  • 海上、航空、陸路で Guinea に入出国する者の健康チェックを実施。
  • 乗下船者の検温実施。
  • 38℃以上の熱がある者は隔離され検査を受けなければならない。
  • 乗船者に対する厳格な手洗い実施。
  • 非 Guinea 人密航者の下船は更なる通達が出されるまで中止。
  • Kamsar、Konta、Conakry 港でのエボラウィルス感染ケースはない。

Ivory Coast

Abidjan
2014 年 9 月及び 10 月に出された通達により衛生検査措置の適用が明確化された。
  • Abidjan に寄港する全船に対し錨泊地で衛生検査を実施。
  • Abidjan 港湾当局が衛生調査官が乗船するための launch を手配。
  • 検査費用 FCFA200,000(約 EUR305)は先ず港湾当局が立替え、後日船主に請求。
  • 衛生調査官による許可が出るまでその他の者の乗船禁止。
  • 国際航海に従事する船舶は寄港リストを提出しなければならない。
  • 詳細は Abidjan Harbour Master に確認のこと。

San Pedro

  • 寄港前 20 日間の健康記録及び衛生検査記録の写しの提出。
  • 着桟時の強制衛生検査。
  • 当局が許可するまで乗船禁止。
  • エボラウィルス感染が疑われるケースが発生した船舶は、黄色の旗を掲げることが要求され、21 日間隔離される可能性がある。

Liberia(エボラウィルス流行国)

  • Monrovia 港及び Buchanan 港は通常通り運営。
  • 港湾に入る者は健康チェックを受ける必要あり。
  • 港湾地域でのエボラウィルス感染ケースはない。

Mauritania
  • 正式な通達は出されていないが、エボラウィルス流行国に最近寄港した船舶の入港禁止。
  • その他の国から来る船舶は、寄港履歴について申告と齟齬がないかどうか船員の ID チェックやインタビューが行われる可能性あり。

Nigeria
WHO は Nigeria はもはやエボラウィルス流行国ではないと宣言し、米国はリスクレベルを 1 に引き下
げた。
  • Guinea, Sierra Leone, Monrovia から Nigeria 諸港に入港する船舶は錨泊地で健康チェックを受ける必要あり。
  • 乗船する際はグローブ及びマスクを着用すること。

Senegal

  • Guinea, Sierra Leone, Liberia に寄港した船舶は、入港 24 時間前までに当該事実を通知しなければならない。
  • エボラウィルス流行国への寄港から Dakar 寄港 ETA まで 30 日以上が経過していて感染の疑いがない船舶については自動的に着桟許可が与えられる。
  • エボラウィルス流行国への寄港から 21 日以内の場合には入港前に健康チェックが必要になる。
  • エボラウィルス感染者がいることが疑われる船舶は隔離される。

Sierra Leone(エボラウィルス流行国)

  • 全船員の健康チェックを実施。
  • 寄港中に船員が本船外に出ることを禁止。
  • 乗船する者はグローブとマスクを着用すること。

Togo

  • これまでの寄港地に関わらず全船に対して健康チェックを実施。

エボラウィルスに関する状況は日々変化していますので、寄港前に現地代理店に確認し最新情報を入手して下さい。