米国Vessel Response Plans (油濁事故対応計画書) -Non-tank vessels 最終規則-追加案内
● Non-tank Vessel Response Plan(NTVRP)実施日-2014年1月30日
● 現行NTVRPの失効-2014年1月31日
● アラスカ-Alternative Planning Criteria (Non-tank vessels)
● 太平洋地域-Alternative Planning Criteria (Tank及びNon-tank vessels)
題記の件に関し、2013年12月9日付特別回報第13-017号をご参照下さい。
●NTVRP実施日-2014年1月30日
米国Non-tank Vessel Response Plan (NTVRP)最終規則は、2014年1月30日に実施されます。国際P&Iグループ(IG)では実施日の延期を求めてきましたが、米国Coast Guard(USCG)は実施日の延期を認めませんでした。従いまして、2014年1月30日までにVessel Response Planを提出し承認を得るか、Interim Operating Authorization (IOA)を取得するのに必要な要求を満たすPlanを提出する必要があります(2013年12月26日付特別回報第13-020号をご参照)。
NTVRPは2013年9月30日に公表され、4か月以内に手続きを取ることを要求しています。Non-tank船の船主は救助業者とのFunding Agreement及び海上消化資材提供業者との詳細な契約条件を含むAgreementを締結しなければなりません。USCGはPlan HoldersがNTVRPの全手続きを完了させる時間が限られていることを認識し、必要に応じて6か月間のInterim Operating Authorization (IOA) Letterを発行するとしています。IOA Letterを受領するのに必要な要求を満たすためには、最低限以下の情報を含むPlanをCOMDT (CG-CVC)に提出する必要があります(提出先住所: Inspections and Compliance Directorate Contact: VRP Program -2703 Martin Luther King Jr Ave SE STOP 7501 Washington, DC 20593-750. Phone: (202) 372-1226. E-mail:vrp@uscg.mil)。
(1)Qualified Individual (QI)並びにalternate QIの情報
(2)契約したOSROの情報
(3)Salvage and Marine Firefighting業者の情報及びSalvage ContractとFunding Agreementの提出
(4)33 CFR 155.5023(b)により求められる署名したCertification Statement
Sub-part Jに規定される要求(pre-fire planやvessel specific informationが不足している等)を完全に満たさない場合には、Certification Statementに不足している部分を明記する必要があります。Sub-part Jについては次のリンクをご参照下さい。
2013年12月19日付Marine Safety Information Bulletin (MSIB)42-13号に6か月間のIOA発行のために必要な最低限のNTVRP要求について記載されています。MSIBは次のリンクから以下の手順でご覧頂けます。
Missions> Environmental>Vessel Response Plan Program>Non-tank Vessel Response Plans>Important NTVRP Documents
●現行NTVRPの失効-2014年1月31日
2014年1月14日にUSCGは、NVIC (Navigation and Inspection Circular)01-05 CH-1の暫定措置に基づく現行のNTVRPが2014年1月31日をもって失効することに関する通達を発行しました。現行のNTVRPは記載されている有効期限に関わらず失効します。
NVIC 01-05 CH-1の暫定NTVRPガイダンスは、33 CFR 155 Subpart J, NTVRPの規定に取って代わられることになります。
従いまして、2014年1月31日をもって、例え有効期限が2015年まで延長されていたとしても有効期限に関わらずNVIC 01-05 CH-1の暫定措置の下で実施されていた全てのNTVRPが無効となります。今後有効なNTVRPは、更新手続きを行いSubpart Jの要求を満たし5年間の認可を得たものか、一部不足している部分を補い見直すための時間を得るために6か月間のIOAを発行されている場合に限られます。Subpart Jの要求を満たしていることを認めるレター及びIOAには、「Title 33, Code of Federal Regulations, Part 155, subpart J」を順守している旨の記載がなされます。
IGガイドラインに沿ったOSRO契約書及びFunding Agreement
2013年10月18日付特別回報第13-011号発行以降、いくつかの救助業者による契約書と料金の変更がありました。IGガイドラインに沿った契約書は以下の通りです。
Donjon-Smit – (Tanker and Non-Tank) Version A – October 4, 2013
Donjon-Smit – Consent Agreement for Vessel Response Plans – October 4, 2013
Marine Response Alliance LLC – Version 16 October 2013
Marine Response Alliance LLC – MRA OPA 90 & CA Certificate of Coverage 01 October 2013
Marine Response Alliance LLC – Version 17 January 2014
Resolve Salvage & Fire (Americas) Inc – Version 3 – 1 October 2013
Resolve Salvage & Fire (Americas) Inc – RMG OPA 90 Certificate of Coverage 01 October 2013
Svitzer – USA Companies Version October 1, 2013
Svitzer – INTL Companies Version October 1, 2013
Svitzer Written Consent – Version Oct 2013
T&T Salvage LLC – USA Owner (Tanker and Non-Tank) Version – 4 October 2013
T&T Salvage LLC - Non-US Owner (Tanker and Non-Tank) Version – 4 October 2013
T&T Salvage LLC – OPA 90 Written Consent – 4 October 2013
但し、上記契約書中に記載されている料金が最新のものである保証はありません。
主要油濁業者(OSRO)であるMarine Spill Response Corporation(MSRC)とNational Response Corporation (NRC)について、IGガイドラインに沿っている契約書は以下の通りです。
MSRC – September 27, 1996
NRC – September 15, 2004
MARSALV
US Open Form Salvage Agreement (MARSALV)は、LOFの一種であり、主に米国の救助業者が米国ベースの船主に対して救助サービスを提供する際に用いられます。しかしながら、同フォームはIGが確認した多くのOPA 90 SMFF Funding Agreementに摂取されています。MARSALVはクラブが承認している救助契約ではなく、従いましてMARSALVの条件での特別補償の支払いに関してカバーされない可能性があります。同フォームはResolve及びMRAの契約書に摂取されていましたが、IGとの更なる協議が決着するまで現行の契約書から取り除かれました。
●アラスカ-Alternative Planning Criteria for Non-tank vessels
2013年12月26日付特別回報第13-020号をご参照下さい。西アラスカを航行するNon-tank vesselsのAlternative Planning Criteriaは次のリンクでご覧頂けます:http://www.ak-mprn.org。米国諸港を出港して西アラスカを通る場合と米国諸港に寄港するために西アラスカを通る場合、Non-tank vesselsは、連邦法の要求を満たすためにAlternative Planning Criteriaに従わなければなりません。現在当該Criteriaを満たすための唯一の方法は、Alaska Maritime Prevention and Response Networkに加入することです。但し、Networkの加入契約書はIGガイドラインに沿ったものではありません。IGの要求により加入契約書に種々の変更がなされており、残っている問題についても近いうちに解決できるものと思われます。IGでは引き続きAlaska Maritime Prevention and Response Networkとの協議を続けています。
Network加入契約書では、加入条件の一つとして、船主が油濁事故の際にAlaska Chaduxと契約を締結することにつきQIに事前承認を付与することが規定されています。Alaska Chaduxの契約書の条件はIGのガイドラインに沿ったものではありません。Networkに加入される場合には、Networkとの協議状況に進展がないかどうか加入前に当組合にご照会下さい。
●太平洋地域におけるAlternative Planning Criteria (D14 Remote Zone)
2014年1月12日にUSCGよりD14 Remote ZoneにおけるAlternative Planning Criteria (APC)に関するガイダンスを発行しました。ガイダンスは添付の通りです。同地域には、米サモア、グアム、北マリアナが含まれます。様々な暫定措置が実施されることになりますので、詳細についてはUSCGや手続き代行業者等にご確認下さい。様々なOSROがAPCにリストされています。必要な契約は以下の通りです。
米サモア
適用対象船:Tank、Gas vessels及び400総トン以上のその他船舶(Non-tank vessels)。
OSRO契約:現地OSRO (Solar or Green Ops)に加え、NRCかMSRCのどちらかとの契約が必要。
適切な救助契約もしくはFunding agreementの締結。
IGではSolarの契約書をチェックし、いくつか細かな点で協議が必要な部分がありますが、大きな契約上の問題はありません。
IGではGreen Opsの契約書を入手しておらず、入手次第チェックを行いIGの見解についてご案内する予定です。
なお、ガイダンスでは同地域における適切な救助業者について何も言及していません。
グアム及び北マリアナ諸島
適用対象船: | 2,500バレル以上の油を燃料もしくは貨物として積載可能な全てのTank及びNon-tank vessels。 |
OSRO契約: |
現地OSRO (Guam Response Services Limited (GRSL) or Oil Spill Response Operations Company LLC/T&T(OSROCO T&T))との契約が必要。 MSRCもしくはNRCとの契約は不要 。 適切な救助契約もしくはFunding Agreementの締結。 |
IGではGRSL及びOSROCO T&Tの契約書をチェックし、OSROCO T&Tの契約書はIGのガイドラインに沿っていることを確認しています。契約書には以下のフッターが付されています。
OSRO Designation Agreement – 20 January 2014
OSRO Emergency Response Services Agreement, Non-Tank Vessels – 20 January 2014
GRSLの契約書はIGのガイドラインに沿っていません。GRSLと契約することでクラブカバーの対象外となる責任を負う可能性があり、追加保険の手配が必要になる場合があります。
なお、ガイダンスでは同地域における適切な救助業者について何も言及していません。
ご不明な点がございましたら当組合へご照会下さい。