ニュース

アジア型マイマイガ(Asian Gypsy Moth : AGM)注意報 -飛翔シーズン到来(修正版)

2018/03/05 No.946
  • 外航
(※チリの情報を修正いたしました。)

アジア型マイマイガ(Asian gypsy moth:AGM)は、日本を含む東アジアやロシア等に広く分布する森林害虫です。AGMが自然に生息していない国々(AGM規制国)にAGMが持ち込まれた場合、農林業や自然環境に重大な悪影響を及ぼすことになります。

AGMは船舶や海上コンテナ等に付着して侵入する可能性があるため、AGM規制国では海運業界と連携したAGMのリスク軽減および排除の取り組みを最優先事項に掲げています。

現在、米国、カナダ、チリ、ニュージーランドおよびオーストラリアが自国への侵入を防ぐために、特定期間中にAGM規制地域(極東ロシア、日本、韓国および中国北部)に寄港した船舶に対し、入港時の検査や公認検査機関が発行するAGM不在証明書の提出等の規制措置を実施しています。

2018年飛翔シーズンにおけるAGM規制国での入港要件の概要をご案内いたします。特に、各国で規制内容に関し対応や期間が異なる部分がありますので、ご注意ください。

米国およびカナダ
過去2年以内に、AGM飛翔期間中にAGM規制地域(極東ロシア、日本、韓国および中国北部)へ寄港した船舶は、AGMが付着していない状態で、かつ寄港した規制地域の最終寄港地で出港前にAGM不在証明書を取得し北米の港に到着しなければならない。

チリ
過去 2 年以内に、 AGM 飛翔期間中に AGM 規制地域(東ロシア、日本、韓国および中国)へ寄港した船舶は、 AGM 不在証明書を取得しなければならない。
※詳細な検疫要件については、 2013 9 30 日発行の Japan P&INews No.647 でチリ政府の決議に関する官報( No.4412/2013 )をご案内いたしましたが、同地コレポン Cave& Cia Ltda. より同決議を修正した 2015年の官報(No.8870/2015 コレポンによる仮訳 英語版) を入手しましたのでご参考に供します。主な修正点は、中国に関する規制対象地域についての変更で、現在は北緯 20 度以南の地域を含む中国全域が対象となっておりますので、ご注意ください。

ニュージーランド
過去1年以内に、AGM飛翔期間中にAGM規制地域(米国およびカナダと同一)に寄港した船舶は、ニュージーランド第1次産業(MPI)公認の検査機関が発行するAGM不在証明書を取得しなければならない。

オーストラリア
オーストラリアの各港では、1月から5月末までの間、入港する船舶に対し事前にAGMに関する調査を実施、船舶検査の必要性があると判断された船舶に対して検査を実施している。極東ロシア以外の規制地域へ寄港した船舶に対しては、AGM不在証明書の提示は求めていない。
※オーストラリア農水省発行「 2018年AGM船舶評価と検査措置の実施」参照

各国の詳細な取り組みについては、農林水産省が2017年11月に「 アジア型マイマイガに関する規制措置について」を公表しておりますので、併せてご参照ください。

当該海域の航行、寄港を予定している本船におかれましては、船上でのAGM駆除対策の重要性について、船長および乗組員に対して注意喚起いただくようお勧めいたします。また、実際の寄港の際には、規制要件に関して現地代理店に最新の情報をご確認ください。

各船舶のご安航を祈念いたします。