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西アフリカにおけるエボラ出血熱の流行について(その16)

2014/09/16 No.694
  • 外航
当組合コレスポンデンツHuatai Insurance Agency & ConsultantService Ltd.より中国諸港における対応措置についての情報を受領しましたので当組合による試訳とともにご参考に供します。

試 訳


2014年9月15日
Huatai Insurance Agency & Consultant Service Ltd.

エボラウィルス流行地域から来る船舶に対する中国諸港での検疫強化について

2014年7月9日に中国当局は、エボラウィルス感染エリアからの車両、コンテナ、貨物、手荷物、荷物の輸送者は中国入域前の現地CIQの検疫調査に協力すべきとする中国へのエボラウィルス侵入防止に関する通達(No.75 of 2014)を発行しました。エボラウィルス感染リスクがある場合、輸送者は検疫措置に従わなければなりませんが、現地CIQによる検疫措置は中国諸港で異なります。

最近、中国に寄港する船舶への検疫強化が報告されており、現地当局の対応について多数の照会を受けています。中国主要港における現地状況について以下の通りご案内します。

1. Shandongエリア (Qingdao, Rizhao, Lanshan, Yantai, Weihai等を含む)
Shandongエリアに位置する港では、Qingdao CIQだけがアフリカから同港へ寄港する船舶に対し厳格な検疫調査を行っています。Qingdao CIQの基本的な要求事項は以下の通りです。

(1)アフリカから来る船舶に対して通常の乗船検疫調査を実施する。検疫調査は主に、船員の体温チェック、居住スペースの衛生状態のチェック等です。

(2)エボラウィルス感染エリアから来る船舶に対しては、Qingdao CIQは消毒を要求します。消毒費用はRMB0.05 per gross tonnage of vessel程度です。

Shandongエリアのその他の諸港に寄港する船舶の場合、現地代理店を通じて現地CIQへ関係書類を提出することが必要となり、錨泊地で検疫調査を行うかどうかCIQが決定します。

2. Liaoningエリア (Dalian, Yingkou, Jinzhou, Bayuquan等を含む)
Guinea, Liberia, Nigeria, Sierra Leone及びその他西アフリカ諸国からの船舶、コンテナ、貨物、荷物等は錨泊地での検疫調査の対象となります。船員の体温チェック、医療記録、感染状況が検査されます。

3. Tianjin
エボラウィルスに関する船舶の検疫に関し、現地CIQからの正式な書面での通達は発行されていませんが、Tianjin CIQは21日以内にエボラウィルス感染エリアに寄港した船舶は検疫調査が要求されるとしています。通常、西アフリカからTianjinへ到着するのは21日以上(28日程度)かかるので、現在のところTianjinエリアで特別な検疫調査が実施されたケースはありません。


4. Shanghai
Shanghai CIQはエボラウィルス予防及び管理措置について現地代理店宛に以下の通達を出しています。

(1)Guinea, Liberia, Sierra Leone及びNigeriaからShanghaiに寄港する船舶は、厳格な検疫調査が求められる。

(2)中国寄港前30日以内にGuinea, Liberia, Sierra Leone及びNigeriaに寄港した船舶について、現地代理店は入港申請手続きの際に現地当局にその旨申告すること。

(3)中国寄港前30日以内に船員/船客がGuinea, Liberia, Sierra Leone及びNigeriaに滞在していた場合には、現地代理店は速やかにその旨を現地当局に申告すること。

Guinea, Liberia, Sierra Leone及びNigeriaに寄港した船舶は、Shanghai入港前に錨泊地(Wu Song)で検疫当局による調査を受けなければならず、現地当局の認可後にShanghai入港が認められます。

5. Guangzhou
エボラウィルス感染エリアから来る船舶は、船員の体温チェック及び船舶の消毒を含む厳格な検疫措置を受ける必要があります。

6. Fujianエリア (Fuzhou, Xiamen, Ningde, Putian, Quanzhouを含む)
エボラウィルス感染エリアから来る船舶は、船舶到着前に船員の体温記録及び直近3週間の船舶の航海記録を提出しなければならず、現地CIQが錨泊地での検疫措置が必要かどうか判断します。検疫が要求される場合、錨泊地でGuinea, Liberia, Sierra Leone, Nigeria, Congo等のエボラウィルス感染エリアから来る船舶の消毒及び船員の体温チェックが行われます。検疫の結果問題なしと判断された船舶に対しては証書が発行されます。

7. Shantou
現在、同港に寄港する船舶に対する措置について通達は出されておらず、エボラウィルス感染エリアから最近同港に寄港した船舶はありません。

8. Hainanエリア(Yangpu, Sanya, Basuo, Haikouを含む)
現地CIQはエボラウィルス感染エリアから来る船舶を厳しくモニタリングしており、到着前に船員の体温記録と直近3週間の航海記録を提出する必要があり、CIQが錨泊地での検疫が必要かどうか判断します。

ほとんどの主要港でエボラウィルス感染エリアから来る船舶に対して細心の注意が払われています。統一された検疫基準や要求はありませんが、いくつかの港ではエボラウィルス感染エリアから来る船舶に対して非常に厳格な検疫措置が取られています。

不要なトラブルを避けるため、中国寄港前30日以内にエボラウィルス感染エリアに寄港した船舶の船主は、現地代理店に事前に必要となる手続を確認することをお勧めします。

ご不明な点があればご連絡下さい。

Shan Hong
Vice President