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東京MOU – アジア太平洋地域 2017年ポートステートコントロール(PSC) 年次報告書

2018/05/29 No. 962

2018年5月に東京MOUはアジア太平洋地域2017年ポートステートコントロール(PSC)に関する年次報告書を発行しました。下記の要約と共にご参考に供します。

 

同報告書によれば、PSCの指摘事項の要点は依然として消防、航海、救命等の設備ですが、加えて海上労働条約(MLC)による労働管理やバラスト水管理設備にも十分な取組みが必要とのことです。

2017年の東京MOUの活動内容>

  • 5月に第3回パリMOU・東京MOU合同閣僚会議開催(於:カナダ)。
  • PSC集中検査キャンペーン(CIC)を9月~11月に実施。航海の安全を集中テーマとし、ECDIS(電子海図情報表示装置)を重点確認。
  • アジア太平洋地域のPSC関連情報共有用データベース「APCIS」の構築。
  • PSC検査官向け訓練およびセミナーの開催、各地域のMOUとの協業。

2017年東京MOUに基づき実施されたPSCの主な実績>

  • PSCの実施件数は31,315件、うち18,113件で欠陥を指摘。
  • 全検査件数の3%にあたる941隻を欠陥指摘により拘留。
  • 拘留
    • 平均の拘留率3%を上回った船種は冷凍船、一般貨物船。下回ったのはガス船、ケミカルタンカー、Ro-Ro船、客船。
    • 拘留に至った主な欠陥指摘事項は、救命艇など救命設備に関する欠陥。
  • 指摘事項
    • 指摘事項の主な分野は、消防設備、航海設備、救命設備で、全体の50%近くを占める。
    • 指摘件数は前年比で5,163件、35%の減少。消防設備、航海設備、通信設備、荷役設備、ISMについては減少傾向。
  • 批准が進む雇用条件/MLC(海上労働条約)関係が年々増加。

 

同報告書はこちらのリンクから閲覧できます。 http://www.tokyo-mou.org/doc/ANN17.pdf

各船舶のご安航をお祈りいたします。

以上