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「船舶の所有者等の責任の制限に関する法律(船主責任制限法)」の改正について

2005/07/05 第05-003号
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2004年3月12日付P&I特別回報第03-021号「1976年の海事債権についての責任の制限に関する条約を改正する1996年の議定書(96LLMC)の発効について」をご参照下さい。本件につき、以下のとおりお知らせします。

1、 改正船主責任制限法の公布と96LLMC締結の承認
船舶の所有者等の責任の制限に関する法律(船主責任制限法)の一部を改正する法律が2005年6月10日衆参両院を通過し、同月17日に公布されました。一方2005年6月15日、日本における96LLMC締結の承認を求める議案もまた両院を通過いたしました。

2、 改正船主責任制限法の施行
a)改正点
今回の船主責任制限法改正は、96LLMCの内容を日本国内法に摂取するためのものです。主な改正点は以下のとおり。
責任制限額の引き上げ。(責任制限額はP&I特別回報第03-021号をご参照下さい。)
旅客の損害に関する債権についての責任の制限の撤廃。(改正前の船主責任制限法のもとでは、内航船において生じた旅客の損害に関する債権については船主責任制限法の適用がありませんでしたが、今回の改正により旅客の損害に関する債権については内外航ともに船主責任制限法の適用対象外になります。)
b)施行時期
この法律は、96LLMCが日本国について効力を生ずる日から施行となります。下記3、ご参照。

3、 96LLMCの日本における適用
上記1、の承認を受け、96LLMCがわが国について効力を生ずるまでに今後以下のような手順が踏まれると予想されます。96LLMCがわが国において効力を生じる日時は未詳につき、判明次第別途ご連絡申し上げます。
「1976年の海事債権についての責任の制限に関する条約(76LLMC)」の廃棄書につき国際海事機関(IMO)への寄託。(近々実行されるものと見られる。)
76LLMCの廃棄書寄託から1年間経過後の最初の月初めに76LLMCが廃棄される。(例:2005年7月中に廃棄書が寄託された場合、廃棄日は2006年8月1日。)
76LLMC廃棄と同時に96LLMCの効力が生じるべく96LLMC批准書の寄託実施。(96LLMCは批准書寄託から90日で効力を生じますので、76LLMC廃棄の90日前にはIMOへ批准書が寄託されるものと思われます。)


改正船主責任制限法の施行に伴う責任制限額の増額により、一部内航組合員の皆様には保険金額変更の必要が生じることとなりますが、これにつきましては別途ご案内申し上げます。