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LLMCにおける責任制限額の増額について

2012/05/21 第12-004号
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2012年4月19日に開催された国際海事機関(IMO)の法律委員会(Legal Committee)にて、1976年の海事債権についての責任の制限に関する条約を改定する1996年の議定書(96LLMC)の責任限度額の引き上げが採択されました。IMO Resolutionを添付致しますのでご参照下さい。


今回の責任限度額の引き上げは、一部の国々から、現行の96LLMCの責任限度額では特に燃料油の流出事故に代表される近年の損害をカバーするのに不十分との見解が示されたことによるものであり、物価の上昇も考慮して採択されました。


責任限度額の引き上げ改正は、採択日から18ヶ月以内に96LLMC締約国の1/4以上の異議がなければ、2015年4月19日に発効することになります。

上記改正に基づく責任限度額は以下の通りです。







1)死亡・傷害に関する責任

a)2,000トン以下の船舶:3.02百万SDR (現行:2百万SDR)


b)2,000トン超の船舶:2,000トンを越える部分について次の方法で計算して得た額を3.02百万SDRに加算した額



  • 2,001−30,000トン部分:
1トン当り1,208SDR(現行:800 SDR)


  • 30,001トン−70,000トン:
1トン当り906 SDR(現行:600 SDR)


  • 70,000トンを超える部分:
1トン当り604 SDR(現行:400 SDR)

2)上記1)以外に関する責任

a)2,000トン以下の船舶:1.51百万SDR(現行:1百万SDR)


b)2,000トン超の船舶:2,000トンを越える部分について次の方法で計算して得た額を1.51百万SDRに加算した額



  • 2,001−30,000トン部分:
1トン当り604 SDR(現行:400 SDR)


  • 30,001トン−70,000トン:
1トン当り453 SDR(現行:300 SDR)


  • 70,000トンを超える部分:
1トン当り302 SDR(現行:200 SDR)