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カリフォルニア州 大気資源局(CARB)による燃料油規制について

2009/06/29 No.571
  • 外航
寄港船舶に対し低硫黄燃料の使用を義務付ける米国カリフォルニア州大気資源局(CARB:California Air Resource Board)の規則に関して、以下のとおり概略をご案内申し上げます。詳細は、添付ECM Maritime Services社発行のClient Alertをご参照願います。


1.燃料油(硫黄分)に関する規制
本規則は、Phase I、Phase IIと2段階にて、カリフォルニア水域(RCW)(注1) を航行する外航船舶(注2) の主機、補機、補助ボイラに使用する燃料油の硫黄分を次のとおり規制する。
段階 施行日 燃料油(硫黄分)
Marine Gas Oil Marine Diesel Oil
Phase I 2009年7月1日 1.5%以下 0.5%以下
Phase II 2012年1月1日 0.1%以下 0.1%以下

注1: 本規則が対象とする「カリフォルニア水域(RCW:Regulated California Water)とは、カリフォルニア州沖24マイル以内の水域をいう。
注2: 本規則が対象とする「外航船舶(Ocean Going Vessel)」とは、全長400フィート以上、総トン数10,000トン以上もしくは1シリンダーあたりの容積が30リットル以上の推進用ディーゼル機関を有する船舶をいい、米国籍・外国籍を問わない。

2.記録保持に関する要求
船舶運航者は、RCWを出入域した日時・場所(緯度・経度)、本規則適合のため燃料切替えを開始/終了した日時・場所、RCW内で使用した燃料の種類、及び購入した燃料の詳細(油種・数量・硫黄分)等に関して記録し、最低3年間本船上に保管することが義務付けられる。また、燃料系統図、燃料切替え手順、主機・補機・補助ボイラの明細等を示す書類を本船上に保持しなければならない。

3.適用免除
本規則には、幾つかの「適用免除規定」が定められている。
a)安全上の特例
悪天候、機関故障などの特殊要因により本規則への適合が本船やその船員・積荷・船客を危険に晒すと船長が判断した場合。ただし、当該緊急事態発生後24時間以内に当局担当官へ通知義務あり。

b)  "Essential Modification Exemption"
本規制適合に不可欠な改造("Essential Modification")が必要な場合、船舶運航者は、改造の詳細を示す"Essential Modification Report"を添えて、少なくともRCW入域の45日前までに適用免除の申請を行うことができる。2009年7月1日から同年8月15日までの期間は、暫定措置として、申請が最終的に承認されたか否かにかかわらず、RCW入域前に免除を受ける意向を通知すれば、免除措置を受けることが可能(ただし、適用免除の申請を速やかに、遅くとも8月1日までに行うこと)。

c)  "Noncompliance Fees"支払いによる免除
カリフォルニア州への予定外の寄港、必要な燃料の調達が困難である場合など、"NoncomplianceFees"を支払うことで、本規則に対処する制度あり(詳細は添付資料ご参照)。

4.まとめ
関係組合員各位におかれては、本規則に関して、本船乗組員が燃料切替えの手順を熟知していること、要求される低硫黄燃料が本船に必要量確保されていること、本船乗組員が記録の保持義務につき認識していることを、確認されるようお勧め申し上げます。

本規則の詳細は、以下のCARBウェブサイトでご覧いただけます。
本規則
http://www.arb.ca.gov/regact/2008/fuelogv08/fuelogv08.htm
CARB Marine Notice 2009-2:
http://www.arb.ca.gov/ports/marinevess/documents/marinenote2009_2.pdf
CARB Marine Notice 2009-3
http://www.arb.ca.gov/ports/marinevess/documents/marinenote2009_3.pdf