米国-カリフォルニア州港に着桟中の船舶のディーゼル補機から排出される 有害物質の規制措置についての規則(“At-Berth Regulation”)
カリフォルニア州大気資源局(CARB: California Air Resources Board)は、カリフォルニア州港に着桟中の船舶のディーゼル補機から排出される有害物質の規制措置についての規則(“At-Berth Regulation”)に関し、同規則の2017年1月1日以降の要求についての2017 Advisoryを発行しましたので、ご参考に供します。
At-Berth Regulationの概要
At-Berth Regulationは、2007年12月にCARBが承認した規則であり、カリフォルニア州港[1]に着桟中の船舶の補機からのディーゼル微小粒子(PM)及び二酸化窒素(NOx)の排出量の削減を目的としています。適用対象は、コンテナ船、客船、冷蔵貨物船のフリートです。フリートは、Reduced Onboard Power Generation Option、あるいは、Equivalent Emissions Reduction OptionのどちらかのOptionを採ることによって規則の要求を満たさなければなりません。
2017年1月1日以降の要求
2017年1月1日以降、同規則が要求する基準は次の通りです。
(i) Reduced Onboard Power Generation Optionを選択したフリートは、次の2つの基準を満たさなければなりません。
- 寄港:1フリートの1港への寄港のうち少なくとも70%は、エンジン稼働について次の制限に従わなければなりません:1寄港毎に、船舶の補機は、本船着桟中の全時間のうち3時間以上運転してはいけません。
- 発電量削減: フリートの本船上の補機による全発電量は、フリートの基準発電量から70%以上削減しなければなりません。
(ii) Equivalent Emissions Reduction Optionを選択したフリートは、陸上電源等、CARBが承認した技術手段を使用してNOx及びPMを70%以上削減しなければなりません。
CARBは、特定の状況下ではフリートが規則の要求を満たせない可能性があることを考慮し、ケースバイケースで適用できる下記の6つのシナリオを提示しています。各シナリオはシナリオ利用のために必要な提出書類を規定しており、フリートオペレーターにはシナリオ利用承認を受けるために十分な証拠及び書面を提供する義務があります。CARBがシナリオ利用を承認するには情報不足であると判断した場合は、利用申請は認められません。
シナリオ1. 船舶は陸上電源を使用できるよう装備されているが、ターミナルの陸上電源バースが陸上電源を提供できない場合。
シナリオ2. 船舶がターミナルに試験的に着岸し、着岸中、補機を3時間以上運転する場合。
シナリオ3. 船舶が陸上電源を使用するが、陸上電源の接続・切断のための3/5時間制限に従うことができない場合。
シナリオ4. 船舶が規則に従うために、承認された代替技術手段を使用している場合。
シナリオ5. フリートがCARB承認テストプランに沿った代替技術手段のテストに参加している場合。
シナリオ6. フリートが、年間ベースで平均して、寄港と発電量、あるいは排出量について要求される削減率を満たしている場合。
詳細につきましては、添付のCARB発行2017 Advisory及びFinal Regulation Orderをご参照下さいますよう、お願い致します。
[1] At-Berth Regulationでは、Los Angeles、Long Beach、Oakland、San Diego、San Francisco 及びHuenemeの各港を指す。