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フィリピン最高裁がPOEA改定雇用契約書を一時的に適用停止

2000/09/19 No.319
  • 外航
(9月13日付フィリピン法務代理人よりのfax情報)

2000年9月11日、最高裁は労働省長官とPOEA(フィリピン海外雇用管理局)行政官に対し、POEA改定標準雇用契約書の一部の条項につき、その実施の一時的な適用停止 命令を出した。適用停止命令は裁判所が将来別の命令を出すまで効力を発揮する。申立書を提出したのはMariners Association for Regional andInternational Networking Organization(MARINO)他の労働組合である。これは労働組合が提起したものであり、Linsanganによる申立とは別のものである。(注:Linsanganはフィリピンの法律事務所であり、本年6月に、2名の船員を代理して、最高裁にPOEA改定標準雇用契約書の差止めを要求している。本年8月15日付PI NEWS第315号参照)

上記適用停止命令に従い、POEAは9月12日付で次のようなMemorandum Circular No.11を出した。


  1. 改定版の第20章(A),(B),(D)項に代えて、DOLE Department Order No.33で規定された、以前の“外航船に乗船するフィリピン人船員の雇用に関する標準契約条件”の第20章(A),(B),(D)項、及びPOEAMemorandum Circular No.55のどちらも1996年版を適用する。
  2. 改定契約条件の第20章(E),(G)項は保留とする。

要するに当面は、“職務上”の規定が削除され、代わりに旧POEA標準雇用契約書の第20章(A),(B),(D)項の“雇用期間中に”の規定が再適用されることになった。また、過去の病気や傷害についての隠匿や、“他国での不法行為または過失による損害賠償請求”について規定した、POEA改定標準雇用契約書の第20章(E),(G)項も、当面削除されることとなった。


この申立は引続き審理中であり、労働省長官は10日以内に意見書を提出するよう要求されている。