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国際海事局(IMB)海賊と武装強盗に関する2024年次報告書

2025/01/20 No.1294

国際海事局海賊情報センター(IMB PRCThe IMB Piracy Reporting Centre)から2024年の海賊と武装強盗に関する報告書を受領しましたので、IMBによる要約と共にご案内申し上げます。詳細は添付資料をご参照ください。


要約

2024年には合計116件の事件が報告されました。内訳は、94隻が侵入、13隻が襲撃未遂、6隻がハイジャックされ、3隻が発砲されました。船員126人が人質に取られ、12人は誘拐され、12人は脅迫されるなど、船員への暴力や脅迫は続いています。


下表のとおり、事件の大半は船舶が停泊中もしくは航行中に報告されています。

Status when Attacked

Attempted

Boarded

Fired Upon

Hijacked

Grand Total

Anchored

8

41

49

Berthed

1

6

7

Steaming

4

47

3

6

60

Grand Total

13

94

3

6

116


事件が報告された地域は下表のとおりです。

Region

Attempted

Boarded

Fired Upon

Hijacked

Grand Total

Africa (Somalia)

1

2

2 3

8

Africa (Gulf of Guinea)

16

1 1

18

Americas

1

1

2

Indian Sub-Cont

3

13

16

East & SE Asia

8

62

 

2

72

Grand Total

13

94

3

6

116


ソマリア

この海域では合計8件の事件が報告されています。この数字には漁船2隻とばら積み貨物船1隻のハイジャックが含まれます。船長は最新版のBMP(Best Management Practices)で推奨されている全ての項目に従うことが求められます。


ギニア湾

ギニア湾では2023年の22件、2022年の19件、2021年の35件、2020年の84件に比べて、2024年には18件の事件が報告され、比較的低水準で推移しています。しかし船員は引き続き危険にさらされており、2024年に誘拐された12人全員と、人質となった船員総数の23%をこの地域が占めています。IMBは地域協力と沿岸当局の努力を称賛し、こうした取り組みを継続・強化するよう奨励しています。


アジア

インドネシア:インドネシア諸島では2022年の10件、2023年の18件から2024年は22件と報告件数が年々増加しています。20件は武装強盗の定義に該当しますが、2件は海賊の定義に該当します。合計31人の船員が人質となり、1人は脅迫を受けました。刃物の使用は10件、銃は3件報告されています。

 

シンガポール海峡:2023年の37件、2022年の38件と比較すると、2024年は43件に上り、シンガポール海峡での報告件数は増加傾向にあります。標的となった船舶の93%が侵入され、戦略的に重要なこの海路において100,000 DWTを超える大型船舶11隻が標的になったことを本レポートは示しています。

 

バングラデシュ:バングラデシュの停泊地では、過去10年で最多数の事件が報告されました。IMBは2024年に14件の事件を記録していますが、そのうち13件はChattogram、1件はMongla停泊中に侵入されています。船員2人が人質となり、さらに3人は脅迫されました。刃物の使用が7件報告されています。