ニュース

Polar号 英国最高裁判決 [2024] UKSC 2

2024/02/09 No.1258

英国最高裁は、荷主は船荷証券に摂取された傭船契約条項に依拠して共同海損分担金の請求を拒否できるか、に関して争われていた Polar号事件について、船荷証券の所持人は共同海損分担金を支払う義務があるとの判決を下しました。この判決について、当組合のSenior legal adviser を務めるWilliam Turnerの解説をご紹介いたします。

 

(事案の概要)
本船はアデン湾で海賊に乗っ取られ、身代金770万米ドルの支払いと引き換えに解放された。船主は共同海損を宣言し、荷主に共同海損分担金500万米ドルを請求し荷主は船主からの共同海損分担金請求を拒否したため争いとなった。身代金はK&R(誘拐・身代金)保険と追加戦争保険によって支払われた。航海傭船契約に基づきこれらの追加保険料は傭船者が負担した。船荷証券は航海傭船契約を広範囲に摂取していたので、荷主は航海傭船契約に依拠して共同海損分担金請求を拒否した。