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Peru-Callao寄港時の強盗への注意喚起

2022/05/18 No.1171

先日Callao錨地にて、錨泊中の当組合加入船に強盗が乗船してきたとの報告がありました。ブリッジウイングで監視に当たっていた船員が深夜2時頃に船首方面から異音を感知し、警告のために汽笛を発したところ、強盗とみられる2名が海に飛び込んで逃走したとのことです。強盗は無灯火の小さなボートで本船に近づき、錨鎖を伝って本船に乗船した模様です。侵入防止のため錨鎖孔のカバーをボルト止めしていたものの、ボルトが外されていました。今回は幸いにも怪我人や盗難被害は発生しませんでしたが、ボースンストアの扉をこじ開けようとした形跡等が確認されたとのことです。

 

ペルーの現地コレスポンデンツINTERLOG Servicios S.A.C.からの情報では、ナイフや拳銃等で武装した強盗が係船索等の船用品盗難を試みて乗船してくるとのことであり、国際海事局(IMB)による2021年の海賊行為と武装強盗に関する報告書(添付資料27ページ目ご参照)によれば、Callao錨地では強盗事案が増加傾向にあるようです。

 

強盗への対策として上記コレスポンデンツより以下のコメントを得ましたので、寄港時のご参考に供します。

 

  • 錨地では小型ボートの接近を探知するため甲板上をしっかりと見張る(特に船首および船尾甲板)。
  • 甲板および船体に十分な照明を設置する。
  • 通常、強盗は船員に立ち向かってくることは無く、警備が甘いとみられる船舶へ乗船してくるが、最近は拳銃やナイフで武装した強盗が報告されていて、注意が必要。
  • 同港で使用しない場合、係留索はロッカー内に保管する。
  • 錨泊中はサーチライトで本船周辺に不審な船がいないかを探す。
  • 錨地ではPilot Ladder/Accommodation Ladderを常時上げておく。
  • 強盗は本船と陸の無線を聞いているため、TRAMAR Callao またはCostera Callaoとは30-40分ごとに交信し本船が見張りを継続している旨を示す。
  • 本船に接近する不審な小型船舶を見つけた場合、TRAMAR Callao またはCostera Callaoを通じPort Patrol Shipの派遣を依頼する。
  • Callao Harbour Master Officeによれば、貨物積載状態の船舶ないし警備が不足している船舶が錨地で狙われやすいとのことである。同事務所はさらに、強盗は本船が減速ないし錨を下す際に船尾方面からアプローチし、その際に本船から彼らのボートへ係留策を持ち出し逃走することが多いと注意喚起をしている。
  • 従って夜間に錨地に滞在する場合は適切な監視と照明が重要となる。

 

情報を提供していただいた国際海事局とINTERLOG Servicios S.A.C.に感謝いたします。