中国-夏季禁漁制の最新情報
禁漁期間終了に伴う中国海域での航行警報について、2021年9月2日付Japan P&I News No.1134にてご案内しましたが、今回、中国のコレスポンデンツHuatai Insurance Agency and Consultant Service Ltd.(Huatai)から最新情報を受領しましたので、ご参考に供します。
禁漁期間が終了し漁期が開始される8月から10月にかけて、商船と漁船の衝突事故が頻発しています。当該海域を航行する船舶は、通達をご参照のうえ、漁船に対して細心の注意を払い、衝突事故回避の対策を実施されることをお勧めいたします。
記
試 訳
年次夏季禁漁制の調整について
2021年4月のHuatai Circular(PNI [2022] 05)に続き、中国農務省(Ministry of Agriculture and Rural Areas of PRC)は新たな通達を発行していません。中国農務省の通達2021年第1号により2022年5月1日から中国沿岸海域において3~4か月禁漁期間となります。
山東省(Shandong)、江蘇省(Jiangsu)、福建省(Fujian)、広東省(Guangdong)、広西省(Guangxi)の漁業管理局およびその他の関連自治体漁業当局も2022年夏季禁漁の実施計画を発表しています。
2022年夏季禁漁の詳細について、以下のとおりまとめましたのでご参考に供します。
- 対象海域
渤海(Bohai Sea)、黄海(Yellow Sea)、東シナ海(East China Sea)、北部湾(Beibu Gulf)を含む北緯12度以北の南シナ海(South China Sea)
- 適用漁法
釣り漁以外の全漁法で、漁船をサポートする補助用漁船を含む。
- 各海域における禁漁期間
- 渤海および黄海、北緯35度以北
期間:5月1日12時から9月1日12時まで
- 黄海、東シナ海、北緯26度30分から北緯35度の海域
期間:5月1日12時から9月16日12時まで
エビ用トロール網漁具、ケージおよびポット、刺し網および引き網は2021年5月1日12時から2021年8月1日12時まで。
- 東シナ海、南シナ海、北緯12度から北緯26度30分の海域
期間:2021年5月1日12時から2021年8月16日12時まで
- 小型トロール漁の禁漁期間は、2022年5月1日12時からが少なくとも3か月間、禁漁終了時期は、現地漁業当局によって決定される。
- 渤海および黄海、北緯35度以北
これまでの経験から禁漁開始時および禁漁終了時には、当該海域には漁船が多くなることが予想されます。したがって航行する船舶はVTSセンターやパイロットステーションとの連絡を取り、見張りを強化するなど、衝突を避けるための適切な対策を取ることが推奨されます。
以上
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