Nord Stream 2とTurkStream-米国の新たな制裁に関する最新情報(その2)
本ニュースは、2020年9月18日付特別回報No.20-013でご案内したNord Stream 2(NS2)とTurkStream(TS2)のパイプライン建設プロジェクトに対する米国制裁の続報です。
米国の弁護士Freehill Hogan & Mahar LLPから、新たにPEESCA(欧州エネルギー安全保障明確化法)が制定されたとの情報を入手いたしましたのでお知らせいたします。
PEESCAは、NS2またはTS2の建設に従事するパイプライン敷設船および「パイプライン敷設活動」に携わる船舶に対する制裁措置を認めています。パイプライン敷設活動は、「現場準備、溝の掘削、測量、岩盤の打設、埋戻し、架線作業、曲げ、溶接、塗装、パイプの下降を含む、パイプライン敷設を支援する活動」と定義されています。
またPEESCAは、NS2またはTS2の建設プロジェクトのためと知りながら以下の行為を行った外国人に対する制裁措置も認めています。
- 建設プロジェクトのため船舶の販売、リース、提供を行うこと。またはこれらの行為の支援。
- 建設プロジェクトに船舶を提供するための詐欺的・計画的な取引の支援。
- プロジェクトの完成に必要または不可欠な引受サービス、保険または再保険の提供。
- プロジェクトの完成に必要または不可欠な船舶の技術的アップグレード、溶接装置の設置、改造・連結のためのサービスまたは設備の提供。
- NS2の完成や稼働に必要または不可欠な試験、検査または認証に関するサービスの提供。
船舶が違法な活動に関与している場合、あるいは当該船舶に保険カバーを提供することによりクラブが制裁違反に問われるリスクがある場合、保険カバーが提供されない可能性があることをご承知おきください。また、NS2やTS2の建設プロジェクトに従事する、あるいはこれに関係するあらゆる活動を検討している組合員は、クラブの保険カバーから除外されるおそれがあることにご留意ください。
したがって、組合員におかれましては、NS2またはTS2建設プロジェクトに関する契約を締結するリスクを評価・軽減し、制裁や執行措置の回避のために可能な限りの注意を払うことが強く求められます。
詳細につきましては、添付のFreehill Hogan & Mahar LLP Client Alertをご参照ください。
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