米国・カナダ-アジア型マイマイガ(Asian Gypsy Moth)-卵塊の付着防止のための自主検査徹底を勧告
米国およびカナダが指定しているAsian Gypsy Moth (AGM)規制地域(極東ロシア、日本、韓国および中国北部)の一部ではAGMが大量発生していて、米国およびカナダは規制地域から入港する船舶に対し改めて注意喚起を行っています。
AGM飛翔期間中にAGM規制地域に寄港した船舶は、規制地域における最終寄港地で出港前にAGM不在証明書を取得し、北米の港に到着しなければなりません。ただし、入港前の検査で本船上にAGMが検出された場合は、本船は有効な証明書を所有していても入港が遅延したり拒否される場合があります。
こうした事態を防ぐため、米国農務省およびカナダ食品検査庁は船舶運航者への推奨事項についての通達を添付のとおり発行しています。主な内容は以下のとおりです。
- 再付着を防ぐために、可能な限りAGM規制地域出航直前にあらゆる形態(卵塊、さなぎ、成虫)のAGMの除去とAGM不在証明を受ける。
- AGM不在証明書を取得する前に、規制地域での船舶のあらゆる活動(例:バンカリング)が完了しているかもしくは完了するようにする。
- 北米に向う途中に船舶で自主検査を実施し、検出されたあらゆる形態のAGMを除去し破棄する。
- 船舶は良好な状態に修繕され、甲板にゴミや不必要な障害物がないことを確認し、AGM規制地域と北米到着時の両方で徹底的な検査ができるようにする。
今回当組合が入手した情報によれば、日本では昨年に続き今年も瀬戸内地域でAGMが大量に発生しています。港湾に飛来するAGM密度が高いため、出港前日にAGMの不在検査を実施し不在証明書を取得していても、その後夜間にAGMが飛来し翌朝出港するまでに船体に卵塊が付着するケースが散見されています。
また、ロシアに寄港した船舶では、卵塊の付着によりカナダでの入港検査で3回不合格となり2か月間の入港禁止となったケースがありました。当該船舶は、カナダ沖で改めて検査機関による不在証明書の取得を受け、4回目の入港検査で入港許可が下りたとのことです。
該当地域へ寄港し北米に入港予定の船舶は、出港後速やかに本船で自主検査を実施するよう徹底してください。なお、2019年飛翔期間における米国およびカナダの規制要件については、Japan P&I News No.1014をご参照ください。
本船のご安航をお祈りいたします。
以上
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