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インドネシアにおける非精製鉱石の輸出禁止措置について(その3)

2017/10/18 No.927
  • 外航

本年10月13日、インドネシア積み中国向けのニッケル鉱を積載した国際P&Iグループ加盟クラブ加入のバルカー船がフィリピン沖で沈没するという海難事故が発生しました。該貨を本船に積載した荷送人は、同国政府より輸出許可を受けている同国の輸出業者であるPT ANTAM社であったとされています。


同国からの輸出許可要件を課す規制によるニッケル鉱輸出量の減少がある一方で、該貨の液状化リスク自体が軽減されるものではないことを上述の惨事は物語っています。当該輸送に従事される組合員の皆様におかれましては一層の予防策の取り組みが求められます。輸出業者側の独自の検査基準により発行される該貨水分値を示す証明書のみに拠らず、本船が積港到着前に、本船側でサンプル採取及び分析を行い、IMSBCコードで要求される流動水分値(Flow Moisture Point)及び輸送許容水分値(Transportable Moisture Limit)をご検証されたうえで、積付け可否の慎重なご判断をされることを推奨いたします。該貨船積みの危険性と予防措置の詳細につきましては、2011年2月1日付P&I特別回報第10-026号と事前通知義務については2012年6月1日付P&I特別回報第12-005号をご参照下さい。


なお、弊組合コレスポンデンツSPICA Serviceによれば、インドネシア政府は2014年1月12日よりニッケル鉱を含む非精製鉱石の輸出禁止措置を実施しましたが、当該措置は全面的な規制ではなく、一定の要件を満たす輸出業者に限り輸出許可が与えられることが判明しました。主たる要件は、輸出業者にインドネシア国内に精錬施設の建造を義務付けるという厳格なものとなっています。コレポンより、当該規制の英文を入手しましたのでご参考に供します。