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中国-MSAによるSPRO認可廃止とQianhe社問題について

2015/04/21 No.726
  • 外航

1.認可手続きの廃止

中国の「船舶による海洋汚染防止及び管理規則」に基づき、同規則対象船舶は中国寄港前に海事局(Maritime Safety Agency、 MSA)が認可した油濁対応業者(Ship Pollution Response Organizations、SPROs)と油濁対応契約を締結しなければなりません。

 

これまでMSAは各SPROsが一定の要件を満たしているかどうかを確認し、要件を満たしていると確認したSPROsに対して認可を与え、認可されたSPROsに対して証明書(船舶油濁対応部門資格証明書)を発行してきました。

 

しかしながら、今般、中国運輸省(Ministry of Transport、 MOT)はSPROsの認可及び証明書発給を廃止する方針である旨の通達を出しました。すなわち、同方針が施行されれば、今後MSAはSPROsの認可及び認可SPROsへの証明書発給を行わなくなります。但し、その場合でも上記のSPROsと油濁対応契約を締結しなければならない義務は引き続き存続し、今後はSPROsと契約する船主/オペレーター自らがSPROsが一定の要件を満たしているか否かを確認する義務を負わされることになります。国際P&Iグループ(IG)では、船主/オペレーターがSPROsが一定の要件を満たしているか否かをいかに確認できるかについてMSAと協議を続けており、情報入手次第ご案内申し上げます。

 

2.Qianhe社の問題

大手SPROであるQianhe社が税関当局の捜査を受けている模様です。IGではIG起用の在北京の弁護士を通じて状況をモニタリングしており、同弁護士はMSAより情報収集を行っています。

 

現在のところ、Qianhe社は引き続き認可SPROとなっており、認可は取り消されておりません。従いまして、Qianhe社と年間契約を締結していて近日中に中国に寄港予定がない場合には当面様子を見ることで足りると思われますが、Qianheと契約していて近日中に中国に寄港する予定がある場合には、同社の状況が判明するまで当面の間一航海ベースで他のSPROとの契約が必要になると思われます。

 

Qianhe社のカバーエリアとなる中国諸港でのSPRO契約を行うに際しては、当該諸港をカバーする他のSPROsが存在しないかどうかを確認し、そのSPROの契約書の文言やタリフについて当組合までご相談下さい。

 

なお、本件に関して、Huatai Insurance Agency & Consultant Service Ltdが添付のサーキュラーを発行しておりますのでご参考に供します。