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中国の「船舶による海洋汚染防止及び管理規則」について(その8)

2011/08/08 第11-009号
  • 外航
首題に関し2011年5月30日付特別回報第11-005号の「中国の「船舶による海洋汚染防止及び管理規則」について(その7)」をご参照下さい。

前回までの特別回報において、中国の「船舶による海洋汚染防止及び管理規則」の内容をご紹介するとともに、a)汚染危険物質をばら積みで輸送する船舶とb)10,000総トン以上のその他全ての船舶の船主/オペレーターに対し、該当船舶が中華人民共和国(以下、中国)入港前に、海事局(Maritime Safety Agency=MSA)認可の油濁清掃業者と油濁清掃契約を締結することを求める規定の実施が延期されたことをご報告致しました。

また、MSAが発表した2011年5月20日付通達にて、MSAが認可するLevel 2、3、4の油濁清掃業者のリストが2011年8月31日迄に、Level 1の油濁清掃業者のリストが本年中(2011年12月31日迄)にMSAから公表されることを前回の特別回報でご報告致しました1

国際P&Iグループ(以下、IG)はその後もMSAと連絡を取り続け、現時点の情報では、Level 1から4の認可油濁清掃業者のリストが2011年10月に公表される予定と理解しております。それでも、2012年1月1日から中国の全港において、上述の認可清掃業者と事前契約を結んでおくことが強制されます。すなわち、該当する船舶のオペレーターにおかれましては、比較的短い期間に認可油濁清掃業者と契約を結ばなくてはならないことになります。

前回の特別回報にて、油濁清掃業者と契約を結び、当該契約書に署名する“オペレーター”は、船主、船舶管理者又は実際のオペレーター(actual operator)であるとMSAが定義した旨ご報告いたしました。中国に居住しない“オペレーター”に関しては、(香港、マカオを除く)中国本土に居住する船舶のエージェント、Clubのコレスポンデント、現地の弁護士事務所又はその他法人が、上述の“オペレーター”から代理する権限を付与されている場合に、当該“オペレーター”を代理して契約書に署名できるとIGは理解しております。また、ある状況において必要な場合、例えば迅速な対応が求められる場合などに、船長も契約書に署名出来るとされています。この場合においても、船長は“オペレーター”から代理する権限を付与されている必要があります。

IGは、海外の“オペレーター”が使用する標準委任状Form、及び引続き油濁清掃契約に盛り込む追加/修正条項を検討する予定です。

上述の契約に関する詳細なガイダンスを含めた本件に関する最新情報を、近く組合員の皆様にご提供する予定です。

国際P&Iグループの全てのクラブが同様の内容の回章を発行しています。

1 認可油濁清掃業者は、業者自身の資格や対応能力に応じ、MSAがLevel 1、2、3、4に分類します。”オペレーター”は、船舶のサイズや船種に応じた清掃業者と契約を行う必要があります。