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電子商取引(ペーパーレス トレーディング)システム-IQAX

2022/06/10 第22-004号

本特別回報は、国際P&Iグループ(IG)が、IQAX eBL(電子商取引システム)を承認したことをお知らせするものです。

 

2021年3月29日付特別回報第20-025号でご案内したとおり、IG加盟クラブは2010年2月まで、電子商取引システムの使用から生じた貨物の運送に関する責任について、紙の船荷証券を使用していれば生じなかったものについては、てん補の対象から除外としていました。

 

2010年2月20日以降、このような電子商取引システムの下での貨物運送に関して発生した損害は、IGが承認したシステムに限り、てん補の対象としています。これまでに、IGはEssDOCS、Bolero International Ltd.(より具体的には、the Rulebook/Operating procedures September 1999)、E-Title、edoxOnline、Cargo X、WAVEおよびTradeLends(TradeLens eBL)を承認していますが、今般新たにIQAXが承認されました。

 

IQAX eBLは、香港企業であるIQAX Limitedが開発・所有するブロックチェーン対応システムです。IQAX Limitedは、COSCO SHIPPINGグループの一員として、物流業界の企業向けに、ブロックチェーンを活用した高度なDXソリューションを提供している世界的なIT企業です。当該システムは、船荷証券の発行、譲渡および管理のデジタル化に焦点を当てており、電子船荷証券および貨物輸送の取引状況をリアルタイムで追跡することができます。荷主、フォワーダー、船会社、銀行、その他の貿易参加者へ、ペーパーレスソリューションを提供しています。同システムの詳細については、IQAXのウェブサイト(www.iqax.com/en/solutions/ebl/)をご覧ください。

 

IQAX eBLの使用に関する法的文書や使用条件は、IQAX eBL Service Terms and Conditions(2022年2月17日付)に規定されています。この文書はIGにより確認のうえ、承認されています。

 

貨物の運送に関するその他のてん補除外規定は、承認された全ての電子商取引システムに対して、紙の船荷証券と同様に適用されます。 たとえば、運送契約に定められた港または場所以外での貨物の荷揚げ、後日付または先日付の電子文書/記録の発行/作成、譲渡可能な電子文書/記録の提示を受けない積荷の引き渡し、承認された電子商取引システムの場合は、当該システムの規則に従わない積荷の引き渡しによって生じた責任は、てん補から除外されます。

 

上述の電子商取引システムを使用している組合員におかれましては、システム使用における法的または実務的な利点や問題点がありましたら、当組合までご連絡ください。

 

国際P&Iグループのすべてのクラブが同様の内容の回章を発行しています。