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電子商取引(ペーパーレス トレーディング)システム-Secro

2022/11/14 第22-015号

本特別回報は、国際P&Iグループ(IG)がSecroの電子商取引システムを承認したことをお知らせするものです。

 

2022年6月10日付特別回報第22-004号でご案内したとおり、IG加盟クラブは2010年2月まで、電子商取引システムの使用から生じた貨物の運送に関する責任について、紙の船荷証券を使用していれば生じなかったものについては、てん補の対象から除外としていました。

 

2010年2月20日以降、このような電子商取引システムの下での貨物運送に関して発生した損害は、IGが承認したシステムに限り、てん補の対象としています。これまでに、IGはEssDOCS、Bolero International Ltd.(より具体的には、the Rulebook/Operating procedures September 1999)、E-Title、edoxOnline、WAVE、Cargo X、TradeLends(TradeLens eBL)、およびIQAXを承認していますが、今般新たにSecroが承認されました。

 

Secroは、商品取引業者、船主、代理店、金融サービス提供者の間のリアルタイムかつ安全なコラボレーションを可能にするSaaS型(サービス事業者側がソフトウェアを稼働し、ユーザーはインターネットを経由して利用できるサービス)のプラットフォームです。ユーザーは、譲渡可能/不能な船荷証券を含む、最も一般的な貿易文書の作成、電子署名、交換をデジタルで行うことができます。 Secroは契約履行ツールも提供しています。Secroのプラットフォームは、データの暗号化を使用し、私有のブロックチェーン技術で構築されています。Secro Inc.は米国に拠点を置く独立系民間企業で、ベンチャーキャピタル投資家の支援を受けています。詳細については、Secroのウェブサイト(https://secro.io/)をご覧ください。

 

Secroの使用に関する法的文書や使用条件は、Secro Customer and User Agreement(2022年10月6日付)に規定されています。この文書およびSecro e-bill(2022年9月29日付)はIGにより確認のうえ、承認されています。いずれも、電子船荷証券を認めるシンガポール電子取引(改正)法2021(2021年3月19日施行)を含むシンガポール法に準拠しています。

 

貨物の運送に関するその他のてん補除外規定は、承認された全ての電子商取引システムに対して、紙の船荷証券と同様に適用されます。 たとえば、運送契約に定められた港または場所以外での貨物の荷揚げ、後日付または先日付の電子文書/記録の発行/作成、譲渡可能な電子文書/記録の提示を受けない積荷の引き渡し、承認された電子商取引システムの場合は、当該システムの規則に従わない積荷の引き渡しによって生じた責任は、てん補から除外されます。

 

上述の電子商取引システムを使用している組合員におかれましては、システム使用における法的または実務的な利点や問題点がありましたら、当組合までご連絡ください。

 

国際P&Iグループのすべてのクラブが同様の内容の回章を発行しています。