電子商取引(ペーパーレス トレーディング)システム-CargoX
国際P&Iグループ(IG)はCargoX電子商取引システムを承認しました。2019年12月25日付特別回報第19-016号でご案内したとおり、IG加盟クラブは2010年2月まで、電子商取引システムの使用から生じた貨物の運送に関する責任について、紙の船荷証券を使用していれば生じなかったものについては、てん補の対象から除外としていました。
2010年2月20日以降、IGが承認した電子商取引システムの使用から生じたものに限り、てん補の対象としています。これまでに、IGはElectronic Shipping Solutions(ESS)、Bolero International Ltd(Bolero)のthe Rulebook/Operating procedures September 1999、E-Title Authority Pte Ltdのe-titleTM Solution、Global Share S.A.のedoxOnline、WAVEの5つシステムを承認していて、今般、新たにCargoXが承認されました。
CargoXは、オンラインでのBlockchain document Transaction System(BDTS)を提供するシステムです。同システムは、書類の所有権の設定、追跡、管理、保管、移転を目的としたブロックチェーン技術に基づいていて、これを使用すれば、運送人、荷送人、荷受人、譲受人、銀行、フォワーダーおよびその他の関係者が、中央サーバーまたはレジストリを介さずに、さまざまなサプライチェーンで暗号化された文書を発行、交換、署名することができます。CargoXは電子船荷証券の権利移転を促進するSpecial Terms & Conditions(ST&C)と呼ばれる法的枠組みに支えられています。CargoXを使用すれば紙の船荷証券は不要となりますが、必要に応じて紙の船荷証券を使用することもできます。CargoXはIGが承認した3番目のブロックチェーン技術を利用したシステムです。CargoXの詳細については、CargoXのウェブサイトhttps://cargox.io/platform/Smart-BL/をご覧ください。
CargoXの使用に関する法的使用規約は、Special Terms and Conditions(2020年2月10日付version 1)に規定されています。IGは同規約を確認し承認しています。
貨物の運送に関するその他の除外規定については、紙の船荷証券と同様に、ESS、Bolero、e-Title、edoxOnline、WAVEおよびCargoXにも適用されます。たとえば、運送契約に定められた港または場所以外での貨物の荷揚げ、電子文書/記録の後日付または先日付の発行/作成、譲渡可能な電子文書/記録の提示を受けない積荷の引き渡し、承認された電子商取引システムの場合は、当該システムの規則に従わない積荷の引き渡しによって生じた責任は、てん補から除外されます。
上述の電子商取引システムを使用している組合員は、システム使用における法的または実務的な利点や問題点がありましたらご連絡ください。
国際P&Iグループの全てのクラブが同様の内容の回章を発行しています。
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