電子商取引(ペーパーレス トレーディング)システム - TradeLens
国際P&Iグループ(IG)はTradeLens eBL(電子商取引システム)を承認しました。
2020年2月18日付特別回報第20-018号でご案内したとおり、IG加盟クラブは2010年2月まで、電子商取引システムの使用から生じた貨物の運送に関する責任について、紙の船荷証券を使用していれば生じなかったものについては、てん補の対象から除外としていました。
2010年2月20日以降、IGが承認した電子商取引システムの使用から生じたものに限り、てん補の対象としています。これまでに、IGはElectronic Shipping Solutions(現在のessdocs)、Bolero International Ltdのthe Rulebook/Operating procedures September 1999、E-Title Authority Pte LtdのE-Title、Global Share S.A.のedoxOnline、Cargo X、WAVEのWAVE Application、の6つのシステムを承認していますが、2021年3月24日付で、新たにTradeLensが承認されました。
TradeLensは、MaerskとIBMが共同で開発した、ブロックチェーンを活用したデジタルサプライチェーンシステムです。同システムは、船荷証券の発行・譲渡・回収のプロセスを提供しています。ブロックチェーン技術を用いて、TradeLens eBLは運送人から荷送人に対して、構造化文書としてデジタルで発行されます。eBLが発行されると記録され、その識別子はTradeLensのブロックチェーンに保存されます。荷送人は発行されたeBLをプラットフォーム上で確認し、準備が整い次第すぐに譲渡することができます。コンテナ貨物の引き渡し準備が整うと、荷受人は運送人にeBLをデジタルで提示するか、あるいは必要な場合には、運送人の支援を得たうえで紙の船荷証券に戻すなどして、貨物を引き取ることができます。
詳細については、TradeLensのウェブサイト(www.tradelens.com/marketplace/tradelens-ebl)をご覧ください。
TradeLendsの使用に関する法的文書や使用条件はTradeLens eBL Rulebook and Service Description (2021年2月24日付)に規定されています。この文書はIGにより確認のうえ、承認されています。
貨物の運送に関するその他のてん補除外規定は、承認された全ての電子商取引システムに対して、紙の船荷証券と同様に適用されます。たとえば、運送契約に定められた港または場所以外での貨物の荷揚げ、電子文書/記録の後日付または先日付の発行/作成、譲渡可能な電子文書/記録の提示を受けない積荷の引き渡し、承認された電子商取引システムの場合は、当該システムの規則に従わない積荷の引き渡しによって生じた責任は、てん補から除外されます。
上述の電子商取引システムを使用している組合員は、システム使用における法的または実務的な利点や問題点がありましたらご連絡ください。
国際P&Iグループの全てのクラブが同様の内容の回章を発行しています。