2021保険年度の国際P&Iグループ再保険プログラムについて
2021保険年度の国際P&Iグループ(IG)再保険プログラムが決定しましたのでご案内申し上げます。
- 再保険スキーム
2021保険年度のIG再保険プログラムのスキームは以下のとおりです(2020保険年度から変更はありません)。
- クラブ保有額:1千万ドル
- グループ保有額:1億ドル
- General Excess Loss Cover:20億ドル(1億ドルを超える20億ドル部分)
- Collective Overspill Cover:10億ドル(21億ドルを超える10億ドル部分)
- てん補限度額
以下の損害に対する2021保険年度のてん補限度額は以下のとおりです(2020保険年度から変更はありません)。
- 油濁損害:10億ドル
- 船客の単体損害:20億ドル
- 船客と船員との複合損害:30億ドル
スキームの詳細については、添付の表をご参照ください。
- 船種別IG再保険料率
船種ごとの再保険料負担の公平性を確保するため、IGは現行の船種カテゴリーの見直しを行い、フルコンテナ船(FCC)が現在IGクラブの加入トン数の約20%を占めていること、また近年FCCに関する大型クレームが多く発生していることに注目しました。
十分な検討の結果、IGは以下の結論に達しました。
- FCCをDry Cargo Vesselsから分離し、5つ目のカテゴリーとして新設し、保険成績を再保険料率に反映させる。
- Persistent Oil Tankersについては、改善した保険成績を再保険料率に反映させる。
以上により、2021保険年度の船種別IG再保険料率は以下のとおりとなります。
Category |
2021保険年度(US$/GT) |
対前年比増減率(%) |
Persistent Oil Tankers |
0.5625 |
-2.1 |
Clean Tankers |
0.2619 |
+1.4 |
Dry Cargo Vessels |
0.4028 |
+1.4 |
Fully Cellular Containerships |
0.4249 |
+7.0 |
Passenger Vessels |
3.2624 |
+1.4 |
- 更改経緯
IG再保険プログラムの主要部分であるGeneral Excess Loss(超過額再保険)プログラム(1st Layer~3rd Layer、すなわち1億ドルを超える20億ドルの部分)は、2020年2月に2年契約を結んでいたため、本更改の対象外でした。本更改では、主に契約満了を迎えるCollective Overspillプログラム(21億ドルを超える10億ドルの部分)に対して焦点が当てられました。
IGの自家保険会社であるHydraが、引き続き再保険スキームの主要部分を保有することにより、IGを支えていきます。またPrivate Placement(商業保険者が引き受ける定額の再保険)を活用するというIGの戦略によって、新型コロナウイルス感染症の世界的流行の影響により再保険市場が不安定な年であっても、組合員の皆様にご負担いただく再保険料は引き続き安定性を確保できます。
こうしたことから、IG再保険料率は平均して前年比1.4%の増加に抑えることができ、IG再保険プログラムは順調な更改結果となりました。
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