中国-渤海湾(Bohai Bay)中部水域における船舶航路指定制度(Vessel Routing System)の導入(2026年1月1日施行)
中国のコレスポンデンツOasis P&I Services Company Limitedから、中国海事局(China MSA)が新たに制定した「渤海湾中部水域における船舶航路指定制度(Vessel Routing System for the Central Waters of Bohai Bay)」に関する情報を入手しましたので、添付のとおりご案内します。
要点は、以下のとおりです。
1. 施行日と背景
本制度は2026年1月1日から施行され、有効期間は5年間です。渤海湾中部水域は、天津、黄驊、曹妃甸などの主要港へ向かう船舶の重要な玄関口であり、船舶交通密度の高まりと錯綜する交通流に対応するために導入されました。
2. 船舶航路指定制度の概要
本航路は、以下の4つの要素から構成されています 。
- 第1通航分離帯(First Traffic Separation Scheme)
- 第1警戒水域(First Precautionary Area)
- 第2通航分離帯(Second Traffic Separation Scheme)
- 第2警戒水域(Second Precautionary Area)
3. 航行上の注意点
- 本航路を利用する船舶は、進入・退出時の報告義務はありませんが、以下の場合はTianjin VTSへの報告が必須です。
- 緊急事態発生時
- 追い越しを行う場合は、事前にTianjin VTSへ報告(および被追い越し船の同意取得)が必要です。
- 切迫した危険を回避するためにやむを得ず通航路を横切る場合は、Tianjin VTSへ報告する必要があります。
- VHFチャンネル09および16を常時聴取する必要があります 。
- 警戒水域、通航路、およびその境界付近の水域での錨泊は禁止されています。
- 特に第2警戒水域は、天津海事局が公表している「衝突高リスク海域(No.5)」内に位置しているため、航行には特別な注意が必要です。
詳細については、添付のOasis P&I Services Company Limited発行のサーキュラーをご参照ください。