直接還元鉄DRI(D)輸送に関するガイダンス
国際海上固体ばら積み貨物規則(IMSBCコード)には、さまざまな形態の直接還元鉄(DRI)が記載されています。2025年1月のIMSBCコード改正により、新しくDRI(D)が新設されました。国際P&IグループはDr J H Burgoyne & Partners LLP(Burgoynes)と協力し、INTERCARGOからの意見を取り入れて同貨物の取り扱い・輸送に関する回報を発行しました。
DRIの主な形態はタイプA(熱間成形ブリケット)とタイプB(ペレット)です。これらの製造・取扱工程で生成される微粉は従来DRI(C)として取り扱われていましたが、IMSBCコードでは同貨物の水分値を0.3%以下と定義しています。屋外保管や雨の中での取り扱いなど、微粉の取り扱い慣行上、水分含有量が0.3%を超えることもあり、そのような貨物輸送のため4番目のDRIスケジュールとして、DRI(D)(含水率2%以上の微粒副生物)が導入されました。
IMSBCコードにおいてDRI(D)は液状化の恐れのある種別Aと、ばら積み時のみ化学的危険性を有する種別Bの両方に分類されています。特にDRI(D)輸送に関する主な危険性は、船倉の上部空間内での可燃性ガスである水素の生成であり、コードの焦点は表面換気による水素ガス濃度の測定と制御にあります。
詳細については添付回報をご参照願います。なお、同回報はガイダンスのみを目的としており、IMSBCコードの関連項目が、依拠すべき輸送要件の主要な情報源であることにご留意願います。国土交通省のウェブサイトで公開されているDRI(D)に関するIMSBCコード該当部分をご参考に供します。
国際P&Iグループの全てのクラブが同様の内容の回章を発行しています。
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