中国-珠江(Pearl River)河口の特別行政区における安全管理に関するGuangdong MSAの通知
Guangdong MSAは、珠江(Pearl River)河口の特別行政区における安全管理に関する規則を2024年7月1日から2年間試行的に実施すると発表しました。これについて、中国のコレスポンデンツOasis P&I Services Company Limitedから試訳を入手しましたので、添付のとおりご案内します。
特別行政区においては同規則の要件に従って航行する必要があります。概要は以下のとおりです。
- 特別行政区内で航行、停泊、操業する船舶およびその他の海上交通安全に関する活動に適用される。
- 船舶は航行、停泊、操業の間十分なUKC(under keel clearance)を維持すること。
- 安全上可能であれば、できる限り右舷側の航路端に沿って航行すること。
- 航路出入りの際は、航路に沿って航行している船舶を優先すること。
- 航路を横切る際は周囲を確認し、他船の航行に支障が無いことを確認してから行うこと。その際以下のルールに従うこと。
a) 航路を航行している船舶を積極的に避けること。
b) 横切る前に汽笛で長音一声を鳴らし、夜間においては閃光灯で警告するなどして、他船に注意を促すこと。
c) できるだけ航路に対して直角に航行し、他船の船首側を横切らないこと。 - 航路の湾曲部で行き会うことを避けること。
- Dahaozhou routeの南側、Chisha routeの北側、Xinsha route、the Lianhuashan East route、the Lianhuashan West routeにおいては他船の追い越しが禁止されている。
- 河口の分岐部分や航路の狭い区間、湾曲した区間での回頭はできる限り避けること。
- 制限速度を順守して航行すること。
- 航行中視界が悪い場合は機関と錨をスタンバイして安全な速度を保ち、見張りを強化、付近の船舶と連絡を取って、規則に従って霧中信号を行なうこと。
- 50,000DWT以上の船舶はGuangzhou港およびZhuhai Gaolan港の主要航路に入る前の段階で、主機、操舵機、通信設備、緊急設備が良好な状態にあるかテストする必要がある。
- 航行不可能な水路幅の橋を通過してはならない。橋を通過する際は、船舶の総トン数と寸法に応じた橋の可航水路幅とエアドラフトの余裕を確保する必要がある。
- Shenzhen-Zhongshan航路およびHuangmaohai横断航路における橋の両側1,000m以内の水域は許可なく進入してはならない。
- 海上の風力発電設備や海洋牧場への進入を避けること。
該当区域を航行する船舶におかれては、事前に機械や電気設備の点検を行い、またCOLREGS 1972に関連する条項および安全管理システムを順守すること、適切な見張りを確保し、安全な速度を保って、早期に回避行動を取れるように備えることなどが推奨されます。