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国際海事局(IMB)海賊と武装強盗に関する2024年第一四半期報告書

2024/04/12 No.1267
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国際海事局海賊情報センター(IMB PRC: The IMB Piracy Reporting Centre)から2024年第一四半期の海賊と武装強盗に関する報告書を受領しましたので、IMBによる要約と共にご案内申し上げます。詳細は添付資料をご参照ください。


要約

2024年1月から3月の内訳は、24隻が侵入、6隻が襲撃未遂、2隻がハイジャックされ、1隻が発砲されました。船員35人が人質に取られ、9人は誘拐され、1人は脅迫されるなど、船員への暴力や脅迫は続いています。


下表のとおり、事件の大半は船舶が停泊中もしくは航行中に報告されています。

Status when Attacked

BOARDED

ATTEMPTED

HIJACKED

FIRED UPON

Grand Total

ANCHORED

15

5

 

20

BERTHED

1

 

 

1

STEAMING

8

1

2

1

12

Grand Total

24

6

2

1

33

 

事件が報告された地域は下表のとおりです。

Region

BOARDED

ATTEMPTED

HIJACKED

FIRED UPON

Grand Total

AFRICA
(Somalia)

1

1

2

1

5

AFRICA
(Gulf of Guinea)

6

 

 

 

6

INDIAN SUB-CONTINENT

7

2

 

9

SE ASIA

10

3

 

13

Grand Total

24

6

2

1

33


ソマリア

2件のハイジャックが報告されていて、ソマリア沖の海賊は引き続き脅威となっています。さらに、発砲、侵入、襲撃未遂がそれぞれ1件ずつ報告されています。これらの事件はソマリアの海岸から遠く離れた場所で報告されていて、彼らが海賊行為を行う能力が継続していることを示しています。


ギニア

ギニア湾水域と沿岸諸国では事件が引き続き抑制されています。2024年1月から3月には6件の報告がありましたが、2023年の同時期は5件でした。この減少は歓迎すべきことです。しかしながら、2024年1月1日にプロダクトタンカーが赤道ギニアのBioko Islandの南45海里付近で侵入され、船長と機関長を含む9人の船員が誘拐されたことは、海賊による犯罪が依然として現実の脅威であることを示唆しています。


アジア

バングラデシュ:2024年、バングラデシュ海域では事件の増加が顕著です。2023年は年間1件でしたが、すでに7件の報告があり、うち6件はChattogramで停泊中の船舶からのものです。


シンガポール海峡:大型ばら積み貨物船4隻と一般貨物船1隻に対する5件の事件が報告されています。単なる出来心によるものと考えられていますが、1月にはこの海峡で3件の事件が発生し、5人の船員が人質に取られました。