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2024保険年度の国際P&Iグループ再保険プログラムについて

2023/12/21 第23-019号

2024保険年度の国際P&Iグループ(IG)再保険プログラムが決定しましたのでご案内申し上げます。

  1. 再保険スキーム
2024保険年度のIG再保険プログラムのスキームは以下のとおりです(2023保険年度から変更はありません)。

  • クラブ保有額:1千万米ドル
  • グループ保有額:1億米ドル
  • General Excess Loss (GXL) Cover:20億米ドル(1億米ドルを超える20億米ドル部分)
  • Collective Overspill Cover:10億米ドル(21億米ドルを超える10億米ドル部分)

  1. てん補限度額
以下の損害に対する2024保険年度のてん補限度額は以下のとおりです(2023保険年度から変更はありません)。

  • 油濁損害:10億米ドル
  • 船客の単体損害:20億米ドル
  • 船客と船員との複合損害:30億米ドル

  1. 悪意のあるサイバー攻撃、新型コロナウイルス、その他の感染症に起因する損害
2023年度の再保険プログラムでは、悪意のあるサイバー攻撃、新型コロナウイルスおよびその他の感染症に関して、7.5億米ドルを超える部分について、これらの損害全体で合計13.5億米ドル(再保険での年間累積回収限度額)のてん補上限額が設けられておりましたが、2024保険年度においては、悪意のあるサイバー攻撃リスクは、新型コロナウイルス/感染症リスクとは切り離され、それぞれ13.5億米ドル(再保険での年間の累積回収限度額)のてん補上限額が設定されることとなりました。

  • Layer 1(1億米ドルを超える6.5億米ドル部分):てん補制限なし
  • Layer 2および3(7.5億米ドルを超える13.5億米ドル部分):悪意のあるサイバー攻撃リスクと新型コロナウイルス/感染症リスクに関し、それぞれ合計13.5億米ドルの累積回収限度額を設定


IGでは、年間の累積回収限度額を超える損害について、IGのプール機構でカバーすることに合意しました。したがって、組合員の皆さまへ提供されるカバー自体に変更はありません。


スキームの詳細については、添付の表をご参照ください。


  1. Excess War再保険
ロシア・ウクライナ戦争が続いている現状に鑑み、IGのExcess War再保険者は、ロシア・ウクライナ周辺の海域を航行する船舶に関する地域的なてん補除外(除外地域は、再保険者が戦争P&I保険に既に適用しているものと同一)を維持しました。そのためIGは、ロシア/ウクライナ/ベラルーシの除外リスクについて、再保険マーケットから総額8,000万米ドルを上限とするカバーを購入しました。

  1. 船種別IG再保険料率
IGでは、現在の5つの船種カテゴリーを変更せず、再保険における過去のクレーム実績を踏まえて再保険料率を調整することといたしました。

2024保険年度の船種別IG再保険料率は以下のとおりとなります。

船種カテゴリー

2024保険年度

再保険料率(US$/GT)

対前年比増減(US$/GT)

対前年比増減率(%)

Persistent Oil Tankers

0.6163

-0.0500

-7.5

Clean Tankers

0.3982

-0.0069

-1.7

Dry Cargo Vessels

0.5863

-0.0128

-2.1

Fully Cellular Containerships

0.7204

-0.0073

-1.0

Passenger Vessels

3.3842

-0.4835

-12.5

※Excess War再保険およびMLC再保険に対する再保険料を含みます。

  1. 更改経緯
プールクレームの状況が比較的穏やかだった2022保険年度に続き、2023保険年度も順調なスタートを切りました。それ以前の保険年度のプールクレームが若干悪化したものの、IGの再保険者に対する全体的な影響は大きくなく、ハリケーンの影響によるノンマリン分野での損害も含め前年ほどではありませんでした。結果として、2024保険年度の再保険プログラムは、すべての船種において再保険料率を引き下げることができました。


バミューダを拠点とするIGの自家保険会社であるHydraが、引き続きリスクを保有することでIGを支えており、Private Placement(複数年契約定額再保険)の活用も、組合員の皆さまにご負担いただく再保険料の変動を軽減しております。


詳細につきましては、IGによるプレスリリースをご覧ください。