2024保険年度保険料率および過年度追加保険料率・精算保険料率について
組合員各位
2023年11月20日に東京で開催された第619回理事会において決定した2024保険年度保険料率および過年度追加保険料率・精算保険料率について、下記のとおりご報告申し上げます。
記
1. はじめに
本年10月31日時点で、内外航合わせて3,682隻、8,891万トンの船舶をご加入いただいております。組合員の皆さまのご支援に感謝申し上げます。
2023保険年度の契約更改では、保険事業収支の均衡と財務基盤の健全性確保のため、外航船保険、用船者責任保険特約およびFD&D特約について10%のジェネラル・インクリースを実施しました。内航船保険については、組合員ごとの保険成績等を勘案の上、加入船舶全体で15%の値上げを行いました。また外航船保険では、クレームの進捗により保険成績が大幅に悪化した 2020保険年度および2021保険年度について、それぞれ25%の予定外追加保険料をご負担いただきました。これにより、2022事業年度決算において、リザーブを274億円にまで回復することができました。改めまして組合員の皆様のご協力に深謝申し上げます。
今2023保険年度の保険成績は比較的堅調に推移しているものの、外航船保険では上期にプールクレームが1件、内航船保険についても下期に入り損害見込額が3億円を超える大型事故が1件発生しており、今後のクレーム発生状況を過年度に発生した大型クレームの進展状況とともに注視する必要があります。
これまでの施策により保険事業収支は改善しつつありますが、まだ十分であるとはいえない状況であり、さらに世界的なインフレ継続によるクレームの高額化、再保険料の高止まり、ロシア・ウクライナ問題を含む戦争リスクなど、依然として当組合の事業環境は先行き不透明な状況が続いています。
当組合が今後も安定的な保険引受けを行うには、全体的な保険料の底上げをさらに図る必要があることから、2024保険年度の保険料率および過年度追加保険料率・精算保険料率を以下のとおり決定いたしましたので、何卒ご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
2. 外航船保険
保険年度 |
当初予想 追加保険料率 |
請求済み |
今回決定 |
精算保険料率 |
2020 |
40% |
65% |
クローズ |
クローズ |
2021 |
40% |
65% |
予想追加徴収率0%のままでオープン |
5% |
2022 |
40% |
0% |
当初予想どおりの40%相当額をお支払いいただき(支払期日:2024年1月31日)、予想追加徴収率を0%としてオープン |
5% |
2023 |
- |
- |
現時点で予定保険料に変更なし |
3.5% |
2024 |
- |
- |
7.5%のGeneral Increase |
3.5% |
詳細は、以下のとおりです。
2024保険年度保険料率
7.5%のGeneral Increaseを行います(付帯する特約やその他追加保険を含みます)。また、各組合員の保険成績等による調整に加え、国際P&Iグループ再保険コストに変動がある場合はそれに応じた調整を行います。
精算保険料率(*)は、予定保険料の3.5%といたします。
過年度追加保険料および精算保険料
2020保険年度
同保険年度の追加保険料は、当初予想していた40%を2022年1月にお支払いいただいたものの、時間の経過に伴いクレームの損害額が膨らみ、最終損害予想金額が増加したため、予定外追加保険料として前払保険料の25%相当額を2023年3月にお支払いいただきました。その結果、保有保険成績は101.2%となりました。保険年度終了後2年半を経過しており、これ以上の追加保険料を徴収することなくクローズします。
2021保険年度
同保険年度の追加保険料は、当初40%を予想していたものの、時間の経過に伴いクレームの損害額が膨らみ、最終損害予想金額が増加した結果、当初予想の40%に加えて、予定外追加保険料として25%相当額を2023年1月および3月にお支払いいただきました。その結果、保有保険成績は100.05%となりました。予想追加保険料率は0%、精算保険料率は5%のままオープンとします。
2022保険年度
現況 同保険年度の保険成績は見込みどおりに推移しており、今後大幅な変動はないものと見込まれます。
徴収率 同保険年度の追加保険料は、前払保険料の40%相当額のご負担をご予定いただいています。現況を考慮して、予定どおり40%の追加保険料をご負担願うことといたします。これにより、予想追加保険料率を0%、精算保険料率を5%へと変更いたします。
追加保険料の支払期日 2024年1月31日までにお支払いくださいますようお願い申し上げます。
2023保険年度
現時点で同保険年度の予定保険料に変更はありません。精算保険料率は予定保険料の3.5%のままといたします。
3. 内航船保険
2024保険年度保険料率
現行の保険料率を一律10%引き上げます(付帯する特約やその他追加保険を含みます)。また、各組合員の保険成績等による調整を行います。
4. 用船者責任保険特約
2024保険年度保険料率
10%のGeneral Increaseを行います(付帯する特約やその他追加保険を含みます)。また、各組合員の保険成績等による調整を行います。
5. FD&D特約
2024保険年度 保険料率
General Increaseは行いません。ただし、各組合員の保険成績等による調整は行います。
精算保険料率(*)は、予定保険料の3.5%といたします。
過年度追加保険料および精算保険料
2020保険年度
同保険年度の20%の予想追加保険料は、ご負担を願うことなくクローズいたします。
2021保険年度
同保険年度の予想追加保険料率は前払保険料の20%、精算保険料率は25%のままといたします。
2022保険年度
同保険年度の予想追加保険料率は前払保険料の20%、精算保険料率は25%のままといたします。
2023保険年度
現時点で同保険年度の予定保険料に変更はありません。精算保険料率は予定保険料の3.5%のままといたします。
*外航船保険とFD&D特約の精算保険料は、保険料リスク、支払備金リスク、超大型事故リスク、市場リスク、取引先リスク、事業リスクなどを総合的に勘案し、2021および2022保険年度については、各保険年度の追加保険料の徴収率に対して一律5ポイント加算した割合、2023および2024保険年度については、予定保険料の3.5%と設定しています。
6. 休航による返戻保険料
外航船保険、用船者責任保険および内航船保険については、積荷を積載せず、同一の安全な港または場所で引続き30日以上(開始の日から終了の日までの日数から1日を控除した日数)休航した場合は、当該期間の日割り保険料に40%の返戻率を乗じた金額を返戻いたします。