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中国-MEGのオフスペッククレーム防止のための推奨措置

2023/09/05 No.1235

近頃、米国のヒューストン港およびポイントコンフォート港でMEG(モノエチレングリコール)を積載した船舶の多くが、中国の荷揚げ港においてアルデヒドの含有量に関するオフスペッククレームが発生する事態に遭遇しています。

 

アルデヒドとアセタールは、MEGの生産過程で発生する副産物ですが、製造過程の不安定性等により、積荷前に完全に除去することが困難な場合があります。これらは通常船舶/陸上タンク内部にて均一に分布しないため、同一のタンクであってもサンプルが採取された時期が異なると、異なる試験結果が出る場合があります。また、貨物を積載する前にアルデヒドが完全に除去されていたとしても、航海中にアセタールがアルデヒドに変化することもあります。一般的にアルデヒドの含有量の測定方法にはASTM E 2313が使用されていますが、この試験ではアセタールの含有量を測定することはできません。また、試験でアルデヒドが検出された際には、脱アルデヒド樹脂を用いて荷役前に除去されますが、この方法でアセタールを除去することはできません。

 

上記を考慮し、積荷港で受け取る陸上タンクのサンプルに加えて、荷送人と共同でサーベイヤーを起用し、別途陸上タンクの上層、中層、下層からそれぞれサンプル採取を行うことを推奨します。また、船上マニホールドからのサンプル採取は荷役開始時だけでなく、30分~1時間おきに継続して実施しすることを推奨します。

 

中国のコレスポンデンツOasis P&I Services Company Limitedから詳細な情報を入手しましたので、ご参考に供します。