電子商取引(ペーパーレス トレーディング)システム-E-TITLEの所有者変更と代替システムCorda eBLの承認
2015年10月27日付特別回報第15-010号をご参照ください。
E-TITLEの所有者変更
本特別回報では、国際P&Iグループ(IG)が以前に承認した電子商取引システムE-TITLEについて、以下のとおりご案内申し上げます。
- E-TITLE電子商取引システムとその法的枠組みの所有権がソフトウェア技術企業のR3に変更されたこと
- E-TITLE電子商取引システムの商号がCorda eBLに変更されたこと
- Corda eBLのソフトウェアがどのように機能するかについて
Corda eBL
Corda eBLは、ソフトウェア開発キット(SDK)であり、船荷証券の所有権移転と譲渡という機能を促進する仕組みを提供するものです。Corda eBLは、船会社、金融サービス企業、物流業者および貿易業者が運営している既存のウェブポータルサービスの一部を補完するために作られました。
Corda eBL SDKは、法的な枠組みに準拠していて、eBLを紙に戻す必要のないpeer to peer(サーバーとクライアントを介さない、コンピューター同士の通信)の転送を支えています。電子転送プロセスは、紙の船荷証券のワークフローに倣っています。詳細については、R3のウェブサイト(https://www.r3.com/corda-ebl/)をご覧ください。
R3は、国際的な銀行や商社の大規模なコンソーシアムを代表するソフトウェア技術企業です。
Corda eBL User Agreement version 1.2の承認
Corda eBLの使用および運用に関連する法的文書「Corda eBL User Agreement (version 1.2)」は、IGが審査し、承認したものです。Corda eBL(旧E-TITLE)は、E-TITLE に代わる承認された電子商取引システムとなり、Corda eBL User Agreement (version 1.2)がこれまでのE-TITLE User Agreementに置き換わります。
2021年9月24日以降、E-TITLEは承認された事業体ではなくなります
R3の認可を受けたアプリケーションサービスプロバイダと契約される組合員におかれましては、デューディリジェンスの一環として、プロバイダがP&I以外のリスクに対する賠償責任保険を手配していることを確認されることをお勧めします。
その他のてん補除外規定の適用
貨物の運送に関するその他のてん補除外規定は、承認された全ての電子商取引システムに対して、紙の船荷証券と同様に適用されることにご注意ください。
たとえば、運送契約に定められた港または場所以外での貨物の荷揚げ、電子文書/記録の後日付または先日付の発行/作成、譲渡可能な電子文書/記録の提示を受けない積荷の引き渡し(承認された電子商取引システムの場合は、当該システムの規則に従わない積荷の引き渡し)によって生じた責任は、てん補から除外されます。
国際P&Iグループの全てのクラブが同様の内容の回章を発行しています。