IGの船内安全推進動画-閉鎖区画での死亡事故防止策
船員や陸上の作業員が船内の閉鎖区画に立ち入ることにより、不必要に多くの人命が失われています。このたび国際P&Iグループ(IG)は、予防措置や安全対策を取らずに閉鎖区画に入ることの危険性を喚起するため、協力して安全推進動画を制作しました。
Link to the International Group’s website
Link to the International Group’s LinkedIn account
閉鎖区画はあらゆる種類・大きさの船舶にあります。本動画では、酸素濃度が低下した区画で人命が失われるという悲劇的な事故につながりうるさまざまなシナリオを紹介しています。 SOLAS条約XI-1章第7規則で安全要件が定められているにもかかわらず、船内の狭い空間や閉鎖区画で酸素欠乏を原因とする死亡事故が発生していることを、すべてのIGクラブで確認しています。不必要な死亡のリスクを軽減するために、本動画では、SOLAS条約で定められた要件や船上のベストプラクティスを遵守することの重要性に焦点を当てています。
IGは、2015年から2020年までの間に閉鎖区画で発生した死亡事故に関する調査を実施してきました。この調査では、閉鎖区画での死者は83人、そのうち53%が酸素欠乏によるもので、また事故の60%以上が船艙内で発生していたことが判明しました。
本動画は、以下の6つのテーマで構成されていて、全テーマに共通して、"Stop, Think, Stay Alive"という重要なメッセージが込められています。
- 「外部からのプレッシャー」
- 「時間のプレッシャー」
- 「手順・実務・装備」
- 「準備とコミュニケーション」
- 「危険な状況」
- 「緊急対応の訓練」
IGのShip Technical小委員会の議長であるLouise Hallは、以下のように述べています。
「IGクラブは、船内の閉鎖区画に入る際に、全階級の船員や陸上の作業員が晒されているリスクを強調するこの安全動画を協力して制作しました。悲しいことに、同僚を救おうとした救助者もまた、酸素不足により呼吸困難となり、命を落としてしまうケースが後を絶ちません。このような恐ろしい事故は、残念ながら頻繁に発生しています。こういった事故を減らすために、今般クラブ同士が協力しあい、このような安全に対する取り組みを実現できたことを嬉しく思います。」
本動画が、皆さまの船舶の安全航行の一助となれば幸いです。