保険契約規程一部改定のご案内
組合員各位
2020年12月2日付特別回報第20-016号「第605回理事会結果のご報告」にて概要をお知らせいたしましたとおり、保険契約規程の一部を改定し、2021年2月20日(2021保険年度)から実施することといたしましたので、改めて下記のとおりご案内申し上げます。また、特約および特別条項の一部改定につきましても併せてご案内申し上げます。改定文言の詳細につきましては、添付の新旧対照表をご参照ください。
記
- 保険契約規程の一部改定
第20条(船客に関する責任及び費用)第4項変更
現行規定では「保障契約」=「ブルーカード」としておりますが、「保障契約」とは船舶油濁等損害賠償保障法において船舶所有者の油濁損害賠償責任をてん補する保険契約または賠償義務の履行を担保する契約を意味し、当該保険契約の付保を証明する書類である「ブルーカード」とは異なります。用語を整理し、意味を明確にしました。
第24条(財物等に関する責任及び費用)第1~4号変更
財物等の滅失損壊そのものに加え、その結果生じる不稼働損失等の消極的損害も含むことを明確にする趣旨で文言を整理しました。
第28条(防疫に関する費用)変更
てん補事由として、加入船舶上での伝染病の発生を直接の原因とすること、また加入船舶に加え「加入船舶上の積荷若しくは船員等」の消毒および検疫に要した費用がてん補対象となる旨明確にするものです。契約で定める寄港地以外の港への寄港については、てん補除外事由の判断基準となる予見可能性について文言を整理しました。
第31条(過怠金)第1~5項変更
密輸の過怠金を保険でカバーすることは、一部の政府当局からは、罰則の意図した効果を損なうとみなされるおそれがあり、また、このような事案に保険を提供し続けることは、国際P&Iグループ(IG)にとって財務的・風評的な影響を及ぼす可能性があるため、IG内でP&Iクラブの持続可能性の目標と矛盾するという懸念が表明されました。
このため、IGのプール協定の改定に沿って、現行規定を改定し、2021保険年度以降は、密輸またはその試みから生じる過怠金による損失や損害についてはてん補対象から除外されることになりました。
これに伴い、本条第3~5号の番号も変更しました。
第34条(免責金額)第2項変更
現行規定では、責任制限額が適用される場合には免責金額を控除しませんが、免責金額を控除しない合理的理由はないためこれを改めました。
第35条(一般除外規定)第1項第6号
救助作業には船骸のみならず、貨物等の撤去作業も含まれる旨趣旨を明確にしました。
第35条(一般除外規定)第2項変更
第20条第4項と同様の文言の整理をしました。
第41条(保険金の回収)変更
第20条第4項と同様の文言の整理をしました。
- 特約及び特別条項の一部改定
特約Ⅳ. 救助者の油濁責任に関する特約 第2条(てん補の範囲)第3号変更
保険契約規程第31条第1~5項の変更に合わせて整備しました。
特Ⅴ. 運賃、滞船料等に関する紛争処理費用及び損失担保特約(FD&D) 第3条(てん補事由)第2項第4号
規程の趣旨を明確にしました。
特Ⅴ. 運賃、滞船料等に関する紛争処理費用及び損失担保特約(FD&D) 第12条(保険金の回収)新設
免責歩合の場合の回収保険金の取り扱いについて、慣例に合わせて整備しました。
特Ⅴ. 運賃、滞船料等に関する紛争処理費用及び損失担保特約(FD&D) 第13条(保険契約規程との関係)変更
第12条新設に伴い旧第12条の条番号を繰り下げました。
制裁対象航海特別条項 第1条第2号、第2条変更
保険契約規程第20条第4項と同様の文言の整理をしました。
海事サイバーリスク特別条項 新設*
新型コロナウイルス特別条項 新設*
*詳細については2021年1月25日付特別回報第20-021号「「海事サイバーリスク特別条項」および「新型コロナウイルス特別条項」制定のご案内」をご参照ください。
なお、2021保険年度の保険契約規程は、本年2月上旬にコーポレートサイトに掲載予定です。
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