米国の対イラン制裁-鉄、鋼鉄、アルミニウムおよび銅部門
2019年5月8日に米国トランプ大統領は、イランの鉄、鋼鉄、アルミニウムおよび銅部門を対象とする制裁を発動する大統領令を発令しました。同大統領令はこちらのリンクから閲覧できます。
また、本大統領令発令に関連して、米国財務省外国資産管理局(OFAC)がイラン制裁に関するFAQsを更新しました。同FAQsはこちらのリンクから閲覧できます。
制裁対象行為
大統領令(Excecutive Order 13871 of May 8, 2019)に基づき、米国財務長官が国務長官と協議のうえ、以下の行為をおこなったと認定した個人・法人に対して制裁が科されます。
- イランの鉄、鋼鉄、アルミニウムもしくは銅部門において事業をおこなっていること、または同部門に属する事業体を所有、管理もしくは運営していること
- 本大統領令発令日以降に、イランの鉄、鋼鉄、アルミニウムもしくは銅部門に関して使用される商品・サービスをイランに販売、供給または輸送するための重大な取引に故意に関与すること
- 本大統領令発令日以降に、鉄・鉄製品、アルミニウム・アルミニウム製品、鋼鉄・鋼鉄製品もしくは銅・銅製品をイランから購入、取得、販売、輸送またはマーケティングするための取引と知りながら関与すること
- 本大統領令に基づいて制裁が課された個人・法人に対して、実質的に支援する、出資する、または財政的、物質的もしくは技術的な支援もしくは商品・サービスを提供する、または
- 直接間接を問わず、本大統領令に基づいて制裁が科された個人・法人によって所有もしくは管理されること、または当該個人・法人のためのもしくは代理としての行為もしくは行為と称すること
猶予期間
OFACのFAQs 668では、猶予期間について以下のとおり記載しています。
イランの鉄、鋼鉄、アルミニウムおよび銅部門を対象とする制裁を発動する2019年5月8日付米国大統領令に基づいて制裁を受ける可能性のある取引をおこなっている個人・法人には、制裁が科されないよう当該取引を終結させるために90日の猶予期間があります。当該個人・法人は、猶予期間の90日が経過するまでに取引を終結するために必要な措置を講じなければなりません。2019年5月8日付(同日から有効)大統領令の制裁対象となり得る新規取引を締結することは、猶予期間中の行為とはみなされず、猶予期間中であっても制裁が科される可能性があります。
組合員の皆さまにおかれましては、イランとの取引を検討される場合には十分にご注意ください。
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