第596回理事会結果のご報告
2017年 11月 30日(木) 14時 30分より、東京の海運クラブにおいて当組合の第 596回理事会が開催されました。下記のとおり主要な決議内容をご報告申し上げます。
記
I. はじめに
世界的に株価が上昇し、国内では「いざなぎ景気」を超える長い景気拡大となったと言われており、海運業界においても市況は回復傾向にはありますが、本格的な改善には至らず、部門によっては引き続き厳しい状況が続いております。そのような環境の中、当組合には本年 10月 20日時点で内外航合わせて 4,345隻、 9,392万総トンの船舶にご加入いただいており、組合員各位のご支援に感謝申し上げます。
2017保険年度のクレーム傾向については、外航船保険は当初は昨年に引き続き好調な滑り出しでしたが、期央からクレーム増加の傾向が見えてきております。内航船保険は昨年と比較すると良好な成績で推移しておりますが、内外航ともに例年冬場に事故が多く発生する傾向があることから、今後も予断を許さない状況にあります。
2018保険年度の保険料率及び過年度追加保険料・精算保険料につきましては、引き続き P&I保険市場での競争が激化する中で、組合員各位を取り巻く事業環境、保険事業収支バランス等の各要素を慎重に考慮し、以下の II. 1.に記載のとおり決定いたしました。何卒格別のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
II. 理事会主要決定事項
1. | 2018保険年度保険料率及び過年度追加保険料・精算保険料 | ||
各保険種目の来年度保険料率等について以下のとおり決議されました。 | |||
1) | 外航船保険 | ||
a. | 2018保険年度 保険料率 | ||
◆ General Increaseを行いません。ただし、各組合員の保険成績による調整に加え、国際P&Iグループの再保険コストに変動がある場合はそれに応じた調整を行います。 | |||
◆ 予想追加保険料率及び精算保険料率は、前払保険料に対してそれぞれ40%及び45%といたします。 | |||
b. | 過年度 追加保険料及び精算保険料 | ||
2014保険年度 | |||
当初予想していた40%の追加保険料のうち20%を2016年1月にお支払いいただいており、これ以上のご負担を願うことなくクローズいたします。 | |||
2015保険年度 | |||
① | 現況 | ||
当該保険年度の保険成績は、今後大幅な変動はないものと見込まれます。 | |||
② | 徴収率 | ||
当該保険年度の前払保険料に対して、当初予想していた40%の追加保険料のうち30%を2017年1月にお支払いいただきました。今後大幅な変動はないと見込まれることから、予想追加保険料率及び精算保険料率をそれぞれ0%及び5%に変更しオープンのままといたします。 | |||
2016保険年度 | |||
① | 現況 | ||
当該保険年度の保険成績は、今後大幅な変動はないものと見込まれます。 | |||
② | 徴収率 | ||
当該保険年度の前払保険料に対して、当初は40%の追加保険料のご負担をご予定いただいておりましたが、このうち30%の追加保険料をご負担願うことといたします。これにより、予想追加保険料率及び精算保険料率をそれぞれ10%及び15%に変更いたします。 | |||
③ | 支払期日 | ||
当該保険年度前払保険料に対する30%相当額を、2018年1月31日(水)を支払期日としてお支払いいただきます。 | |||
2017保険年度 | |||
当該保険年度の予想追加保険料率及び精算保険料率は、40%及び45%のままで変更はありません。 | |||
2) | 用船者責任保険特約 | ||
2018保険年度 保険料率 | |||
General Increaseを行いません。 | |||
3) | FD&D特約 | ||
a. | 2018保険年度 保険料率 | ||
◆ General Increaseを行いません。 | |||
◆ 予想追加保険料率及び精算保険料率は、前払保険料に対してそれぞれ20%及び25%といたします。 | |||
b. | 過年度 追加保険料及び精算保険料 | ||
2014保険年度 | |||
当初予想していた20%の追加保険料は、ご負担を願うことなくクローズいたします。 | |||
2015保険年度 | |||
それぞれ20%及び25%のまま据え置くことといたします。 | |||
2016保険年度 | |||
それぞれ20%及び25%のまま据え置くことといたします。 | |||
2017保険年度 | |||
それぞれ20%及び25%のまま据え置くことといたします。 | |||
*上記1)及び3)の精算保険料は、保険料リスク、市場変動リスク、保険事業リスク、組合員の倒産リスクなどを総合的に勘案し、各保険年度の前払保険 料に対して一律5%と設定しています。 | |||
4) | 内航船保険 | ||
2018保険年度 保険料率 | |||
「甲」、「乙」及び「丙」の現行料率を据え置きます。 | |||
2. | 保険契約規定一部変更 | ||
2018年2月20日より主に規定の明確化を目的として以下の規定の一部を変更することが決議されました。 | |||
1) | 第10条(保険契約の継続)第2号変更 | ||
第16条(船級等の保持及び法令の遵守)第2項変更及び第3項新設 | |||
加入船舶が保険契約期間中に組合が認めていない船級協会による船級等に変更した場合に、組合が保険契約を解約することができることを明文化するものです。 | |||
2) | 第19条(船員に関する責任及び費用)第1項第1号ホ新設 | ||
第24条(財物等に関する責任及び費用)第3号変更 | |||
組合員が社会的な要請に基づき特に負担する費用のてん補に関する規定を整備するものです。 | |||
3) | 第25条(汚濁に関する責任及び費用)第1項変更 | ||
汚濁物質の流出元を明記するとともに、国際P&Iグループのプール協定の改定に伴い、ヨーク・アントワープ規則について版を特定しない文言に変更するものです。 | |||
4) | 第30条(共同海損)第1号変更 | ||
不明確な文言を明確化するものです。 | |||
なお、変更内容の詳細につきましては、2018年1月下旬に発行予定の特別回報にて改めてご案内申し上げます。 |