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対スーダン制裁 - 米国が対スーダン制裁解除を決定

2017/01/26 No.867
  • 外航

2017113日付で、米国財務省外国資産管理局(OFAC) は、スーダン制裁規則を修正する一般ライセンスを発行しました。その結果、2017117日よりそれまで禁止されていたスーダンが関与する取引が承認されました。

 

例として次の制限が解除されました。

 

  • 米国人によるスーダン国内の石油または石油化学産業関連のすべての取引または活動の禁止
  • スーダンの非特定地域から直接または第三国経由での米国への物資またはサービスすべてに対する輸入禁止
  • 米国からまたは米国人によるスーダンへの物資、技術、サービスの輸出及び再輸出の禁止
  • 全世界におけるスーダン政府により所有または支配されるまたはその代理で活動する個人及び団体の資産を含め、米国内または米国人の支配下にあるスーダン政府のすべての資産の凍結
  • スーダンにおける産業、商業、公共事業、政府プロジェクトを支援する融資契約などの米国人によるあらゆる契約の実施を含めたスーダンとの金融取引の禁止

 

同ライセンスを利用する者には記録保持が義務付けられることに留意して下さい。ただし、事前の承認や報告の義務はありません。

 

同日、米大統領は大統領令13761号を発令し、同大統領令発令に至った前向きな対応をスーダン政府が持続したと米国政府が2017712日またはそれ以前に認めた場合は、2017712日をもって米国の対スーダン制裁を解除すると宣言しました。同解除が発効すれば、現在一般ライセンスの対象となっている制裁は完全に解除されることになります。ただし、この変更はオバマ政権下で決定したものであり、トランプ政権下の外国資産管理局により修正または無効となる可能性もあることにご注意下さい。

 

なおスーダンのダルフール地方における紛争に関連した米国による制裁は、同一般ライセンスと大統領令による影響を受けずに継続されます。SDNsとの取引や軍事、核拡散、テロに関する取引についての制裁も影響を受けず、米国物資の輸出と再輸出の多くに対してのライセンス取得が依然として義務づけられています。つまり実質的には米国による制裁は、変更前と比べるとEUによる制裁に近くなったと言えます。

 

詳細につきましては、外国資産管理局の以下の報道発表をご参照下さい。

https://www.treasury.gov/resource-center/sanctions/Programs/Documents/sudan_fact_sheet.pdf