ニュース

米国-油排出による過怠金について

2015/06/09 No.735
  • 外航

New Orleansの法律事務所Murphy, Rogers & Sloss, Gambel & TompkinsのCharles L. Whited, Jr弁護士より、油分を含んだビルジを意図的に排出したことによる過怠金事案に関する情報を受領しましたのでご参考に供します。

 

アラスカ沖で油分を含んだビルジ4,500ガロンを意図的に排出したことによりClean Water Act及びAct to Prevent Pollution from Shipsに違反したとしてドイツの船社に対して総額800,000ドルの過怠金を課す判決が下されました。また、当該船社に対して包括的環境コンプライアンスプランの実施命令と3年間の観察処分が下され、同社は観察処分期間中高度な監視下に置かれることになりました。さらに、本件違反を実行したChief Engineerに対しては5か月間の自宅監禁及び5年間の観察処分が下されました。

 

当該船社はオペレーターとして油水分離機の操作及び正確な油記録簿の管理に責任を有し、Chief Engineerは油水分離機の操作と油記録簿の管理を含む本船機関室の油濁コントロール設備に責任を有する立場にありましたが、2014年8月にアラスカ沖の米国排他的経済水域内で油分を含むビルジを意図的に排出しました。Act to Prevent Pollution from Shipsでは正確な油記録簿の維持を義務付けていますが、当該船社並びにChief Engineerは違法なポンプシステムを使用して油排出の事実を隠し、USCGによる調査をごまかしたとされています。本件事案の詳細については添付米国司法省ウェブサイト掲載ニュースをご参照下さい。

 

米国では意図的な油排出に対して高額な過怠金が課されることがありますので、組合員の皆様におかれましてはこのような過怠金を課されることのないよう関連規則の遵守徹底にご注意下さい。なお、当組合保険契約規定に基づき、本件のような意図的な排出による過怠金はてん補の対象とならないこと申し添えます。