香港における低硫黄燃料油規制について(その2)
題記の件に関し、2015年3月24日付Japan P&I News No.719をご参照下さい。
同Newsにて、香港に寄港する外航船に対して同港着桟中(着桟後1時間及び離桟前1時間は除く)に硫黄含有量0.5%以下の低硫黄燃料油の使用を義務付ける規則が7月1日に発効する予定であることをご案内しました。
本規則の適用に関し、当組合コレスポンデンツInchcape Shipping Services (Hong Kong) Limitedを通じて香港環境保護署より以下の確認を得ましたのでご案内申し上げます。
1. 着桟の定義
本規則で言う着桟には、ターミナルの着岸に加え香港港湾内の錨地での錨泊も含まれます。従いまして、着岸中のみならず、補油やパイロット乗船のための錨地での停泊中についても、同停泊が2時間を超える場合(到着後1時間と出発前1時間は規則適用除外とされており、停泊時間が2時間以内であれば規則は適用されません)には規則の適用対象となり、低硫黄燃料油の使用が義務付けられます。
2. ドリフティング中の規則適用
港湾におけるドリフティング中の船舶に対する本規則の適用はありません。従いまして、ドリフティング中は低硫黄燃料油を使用する必要はありません。但し、あまりに長期間のドリフティングは海難事故のリスクを高める行為と見做されることから、安全航海に関する他の規則違反となる可能性があります。
3. 海難事故の際の規則適用
海難事故の際には規則遵守よりも人命救助や油濁対応等の緊急対応が優先されます。但し、海難事故の際に規則適用が必ずしも免除されるわけではなく、規則遵守が船舶の安全に支障をきたさない場合には規則遵守が求められ、香港寄港予定がなかったために規則を満たす低硫黄燃料油を所持していない場合には、速やかに現地で低硫黄燃料油を給油することが求められる可能性があります。
なお、規則の全文は以下のリンクからダウンロードできます。
http://www.gld.gov.hk/egazette/pdf/20151911/es22015191151.pdf
ご不明な点がございましたら当組合までご照会下さい。