西アフリカ向けGUARDCONについて
題記の件に関し、国際 P&Iグループ (IG)で作成した海賊に関する FAQをご案内した 2013年 8月 22日付 Japan P&I News No.644 及び BIMCO GUARDCONについてご案内した 2012年 3月 29日付特別回報 第 11-029 号 をご参照下さい。同 FAQ及び特別回報にてご案内しました通り、武装警備要員の配乗に用いる契約書である BIMCO GUARDCONの内容はクラブカバー及びプール協定に沿ったものとなっています。
GUARDCON は 2012年に作成され、民間海上警備会社 (Private Maritime Security Companies、 PMSCs)の契約条件を統一させ、船主の手続きを簡易化かつ迅速化するものとして業界の標準契約書になっています。
GUARDCON は当初東アフリカでの PMSCsの起用に用いる目的で策定されましたが、その後海運業界の関心は西アフリカのギニア湾での海賊に広がっています。
西アフリカでは沿岸国が手配する武装警備要員が非武装の PMSCsとともに活動することになり、その場合現行の GUARDCON(変更ないバージョン )は適当ではありません。当該防御方法は西アフリカの沿岸諸国が領海内で武装 PMSCsの起用を禁止していることに対応して策定されたものです。
添付 1の 2014年 2月 20日付 BIMCO Special Circular No.1をご参照下さい。 IG協力の下 BIMCOが作成した西アフリカで使用するための GUARDCONの推奨改定が案内されています。 BIMCOは西アフリカでの使用のための GUARDCON改定版を作成する考えはないとのことですが、 IGは推奨改定を挿入した改定版 (GUARDCON West Africa)を添付 2の通り作成しました。
GUARDCON West Africa は IG加盟全クラブにより承認されています。同改定版の使用により、西アフリカのハイリスクエリアを航行する際に適切な警備手配を船主がより迅速かつ簡易に行えるようになると考えております。
但し、本回報は武装警備の起用を勧めるものではありませんのでご注意下さい。 PMSCs及びその他の警備要員の起用は、ギニア湾における海賊防衛のための船主、オペレーター、船長向け中間ガイドラインの遵守に代わるものではありません。武装警備要員の起用は全体のリスクアセスメントを通じて検討すべきです。また、添付 3の IMO Circular MSC.1/1405/Rev 2に従って、旗国、沿岸国及びその他関係国の法規則を確実に遵守する必要があります。
国際 P&Iグループの全てのクラブが同様の内容の回報を発行しています。