BIMCO GUARDCON−武装警備員の配乗に関する標準契約書
- 外航
武装警備員の配乗に関する標準契約書であるBIMCO GUARDCON(以下、GUARDCON)が本年3月28日に発行されました。
警備員(武装、非武装に関らず)を雇用するかどうかは、組合員にて決定して頂く運航上の問題ですが、決定に際しては旗国及び関係する現地法を常に遵守する必要があります。また、IMO Circular 1405(註1)及びベストマネージメントプラクティス(現在、2011年8月発行の第4版が最新です)に規定されている注意義務も遵守しなければなりません。
一方で、民間海事警備会社(Private Maritime Contractors、PMSC's)が増加し、様々な契約条件が用いられ統一されていない状況になっています。このような状況を鑑み、幅広い海事関係者の利益となるように、BIMCOは船主、財物保険者、P&Iクラブ代表団、海事弁護士、警備会社代表団及びその他の船主並びに海事保険協会により構成されるワーキンググループ草案のGUARDCONを作成しました。GUARDCONは民間海事警備会社(GUARDCON中ではContractorsと表記)の契約条件を統一し、組合員及びクラブによる契約書の査定/承認手続きを簡易化することを目的としています。
但し、GUARDCONは、BIMCOや国際P&Iグループ(以下IG)が、本船上での武装警備員の使用を推奨したり承認したりすることを意味するものではありませんのでご注意下さい。また、武装警備員はベストマネージメントプラクティスの遵守に取って代わるものではありません。武装警備員の配乗は、リスクアセスメントを行った上で検討されるべきものであり、船長も決定過程に関与すべきです。一方で、GUARDCONの条項はIGのMaritime Security Subcommitteeが査定し、クラブカバー及びプーリングアグリーメントの要求事項に沿ったものであることを確認しています。
GUARDCONは以下の事項を含む多数の重要問題を扱っています。
- 民間海事警備会社が以下の条件に関して守るべき基準
警備会社の責任及び契約上の補償(どのような責任及び補償になっているか検証する必要があります)をカバーする適切な保険が付保されていること並びに合法的に武器を保持するのに必要な許可/ライセンスを所持していること。 - 自損自弁原則に基づく責任及び補償条項
- 安全航行及び船舶の全指揮権に関する船長の責任
GUARDCONとは異なる契約書や改定された契約書を使用する場合には、事前にクラブにご相談頂き、異なる契約書や改定がクラブカバー並びにプーリングアグリーメントの要求事項に沿ったものであることを確認されることをお勧め致します。
また、GUARDCONには「武器使用のルールについてのガイダンス」という別途のガイダンスが添付されており、これは武装警備の配乗契約の中に含める必要がある武器使用に関するルールについて民間海事警備会社と合意する上で組合員に参考にして頂くためのものです。但し、武器使用のルールは、MSC.1/Circ.1405の規定及び旗国並びに適用国内法に適合したものでなければなりません。
GUARDCONに関してご質問がありましたら当組合までご照会下さい。
IGのすべてのクラブが同様の内容の回章を発行しています。
註1.MSC.1/Circ.1405-Rev.1 船主、オペレーター、船主への中間ガイダンス改訂版