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油濁による過怠金の補償条項

2013/03/04 第12-029号
  • 外航

題記の件に関し、2012年10月23日付特別回報第12-015号「オーストラリア改正油濁法-油濁による過怠金の補償条項」をご参照下さい。

船舶による油濁及び海洋環境への損害に対する過怠金を増額するオーストラリア油濁法(註1)の改定に関し、船主及び用船者から提起された懸念を解決すべく、2012年10月に国際P&Iグループ(IG)推奨用船契約条項が作成されました。推奨条項が作成されて以降、オーストラリア油濁法に関して進展があり、推奨条項について更なる検討が加えられ、今般添付の改訂版推奨条項と案内書が作成されました。

過怠金の増額
2012年12月28日にオーストラリアで新規則が発効し、連邦法違反の過怠金が増額されました。過怠金の増額は2012年12月28日以降に生じた違反にのみ適用されます。

過怠金の増額は、油もしくは油含有物の海上排出違反につき500 penalty unitsから20,000 penalty unitsの範囲で過怠金を規定するProtection of the Sea Act 1983等のpenaltyunitで算定される過怠金に影響します。

これまでのpenalty unitでの計算では、個人の過怠金は最高AUD2.2 million、法人の過怠金は最高AUD11 millionでした。新しいpenalty unitでの計算では、個人の過怠金は最高AUD3.4 million(註2)に、法人の過怠金は最高AUD17million(註3)になります。

IG推奨条項及び案内書の改定
・係争費用
係争費用の求償に関する問題を解決すべく新たに(b)iiiが加えられました。(b)iiiは、(b)で規定される状況において過怠金の賦課に関する係争で生じた係争費用やその他費用についても推奨条項における求償の対象となることが明確にされています。

・寄与過失がある場合の求償
(b)i.及びii.の但書きは、求償する側に寄与過失がある場合の責任の問題を解決すべく改訂されました。改訂により、用船契約書の準拠法で禁止されていない限り、寄与過失がある場合回収額が制限されます。

当該条項及び説明文を添付致しますのでご参照下さい。

当該条項もしくはその適用に関して質問があればクラブにご相談下さい。

国際P&Iグループのすべてのクラブが同様の内容の回章を発行しています。

1Australian Navigation Act1912 and the Protection of theSea Act 1983
22013年2月21日付為替レートで約USD3.5 million
32013年2月21日付為替レートで約USD17.4 million