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Charterparty Clause − 油濁に関する賠償資力保証

2011/02/02 第10-027号
  • 外航
首題に関しましては1990年に、米国における新たな油濁法が制定される見込みに対応し、組合員の皆様に、船主として用船契約において油濁に関する賠償資力証明書についての将来の予期し得ない要求に応ずることのないよう推奨し、そのためのRecommended Pollution Charterparty Clause をご案内申し上げました。

その後1996年には、1992年民事責任条約(92CLC)の発効と1990年米国油濁法 (OPA90)の賠償資力証明書に関する要求を反映したタンカー用船契約の為の改訂Clauseをご案内し、2008年にバンカー条約の発効に伴い改訂した際には、タンカー/非タンカー双方用の新しい統一 Clauseをご案内致しております(2008年9月1日付P&I特別回報「バンカー条約 − 条約証書について(3)」ご参照)。

今般、このClauseのさらなる改訂を行い、用船者の補償の範囲(特に賠償資力証明書保持の要求に応じなかった場合)が不明確であった点を取り除き、さらに船主が賠償資力証明書保持の要求に応じる場合の船主と用船者の権利と義務を明確に致しました。その改訂版を本回報に添付してご案内申し上げます。

この改訂ClauseはUS Coast Guard Authorization Act of 2010 により変更される予定であるOPA90の賠償資力責任に関する改正にも対応しています。2010年10月15日に成立したUS Coast Guard Authorization Act of 2010は、OPA90上の賠償資力責任条項の対象となる船舶につき、従来の「米国の裁判管轄に服する地を航行する300総トンを超える船舶(貨物または燃料として油を積載しない非自航船を除く)」及び「米国の裁判管轄に服する地に向けた油を積替え又は艀輸送する為、米国の排他的経済水域を航行する船舶」に加え、「米国の裁判管轄に服する地を航行する100総トンを超えるタンカー」も含めようとしています。

国際P&Iグループは米国National Pollution Funds Center(NPFC)(US Coast Guardの一機関)から、「上記対象船舶の拡張を実施するにはさらに同施行規則の制定が必要であり、施行規則は数ヶ月内に導入される見込み」との情報を得ています。添付の改訂Clauseは、この OPA90上の賠償資力責任条項の対象拡張に対応しています。

国際P&Iグループは引き続きNPFCとの連絡を継続し、施行規則が公布され発効日が判明しましたらご連絡申し上げます。

改訂Clauseは証書の保持に関し、新たに義務を追加するものではありません。組合員の皆様には、添付のClause第1条で義務付けられている証書を引き続き本船上に保持するようご留意願います。

組合員の皆様におかれましては、新しい用船契約より改訂Clauseをお使い下さい。

国際P&Iグループの全てのクラブが同様の内容の回章を発行しています。

添付1: 改訂Pollution Charterparty Clause
2: 従来のPollution Charterparty Clause(ご参考)