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タンカー沈没事故 − 空気管からの海水流入が原因

2012/07/20 No.620
  • 内航
2011年1月に発生したケミカルタンカー(499トン、乗組員5名)の沈没事故(1名死亡、1名行方不明)について、今般、国土交通省運輸安全委員会は、事故調査の経過報告を発表しました。

同報告によれば、事故原因は、本船の上甲板左舷側及び膨張トランク上の左舷側に海水が滞留し、上甲板左舷側に設置された空気管から海水がバラストタンクに流入したことにより、左舷側に傾斜し、転覆して沈没したものとしています。 本船のバラストタンク空気管には、浸水防止機能を有する管頭金物が設置されていたものの、整備不良により機能していない状態であったとされています。

運輸安全委員会は、国土交通大臣に対し、乾舷が小さく、膨張トランク上に波が打ち込む状態で航行する船舶は、海水が滞留して船体が傾斜し、上甲板上に設置された空気管からバラストタンクに海水が流入することがあることから、船舶所有者及び船舶運航者に対して空気管の管頭金物の整備を十分に行うよう指導することを求めています。

同経過報告書は、運輸安全委員会のホームページにてご覧頂けます。
ケミカルタンカー沈没事故 経過報告書
http://jtsb.mlit.go.jp/jtsb/ship/detail.php−id=2800

組合員各位におかれましては、バラストタンク空気管の管頭金物の浸水防止機能整備状況に十分ご留意頂きます様、お願い申し上げます。