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Ivory Coast Sanctions について

2011/03/01 No.591
  • 外航
国連安全保障理事会決議1962(2010) に沿い、EU理事会は、Ivory Coast の状況に鑑み、2011年1月14日、コートジボワールにおける特定の人物及び事業体に対して制裁を課する「規則 25/2011」 (以下、本規則という)を公布した。EU理事会は、その者たちが直接あるいは間接に権力過程と国民和解を妨害しているとして彼らに対する制裁措置を発動した。なお、本規則については、以下のホームページをご参照願う。
https://www.piclub.or.jp/wp-content/uploads/2011/03/1676.pdf

制裁により(制裁は、現時点においても継続中)、本規則の附則に列挙された自然人並びに法人が所有、保持あるいは管理している資金並びに経済資源が凍結され、さらにその者たちに向け、あるいはその者たちのために資産や経済資源が提供されることが禁止される。

本規則は以下にて適用される。
(a) EU域内(領空も含む)
(b) EU加盟国の管轄に属する航空機、船舶
(c) EU加盟国の国籍を有する全ての者(EU域内にいるか域外にいるかを問わず)
(d) EU加盟国で設立された全ての法人、組織、機関
(e) EU加盟国で全てあるいは一部のビジネスを行っている法人、組織、機関
(f) EU加盟国の国籍を有する船舶

なお、本規則の附則に列挙されているコートジボワールの制裁対象者のなかに、Abidjan港湾局とSan Pedro港湾局が含まれている。それゆえ、Abidjan港とSan Pedro港にEUの船主、船舶運航者あるいはEUに船籍を有する船舶が、港湾使用料や港費を払うと、本規則に違反することになるおそれがある。港湾使用料や港費を、コートジボワールの代理店を通じて払っても、本規則違反になると言われている。

さらに、本規則はEUに本拠をもつ保険者やP&Iクラブにも適用される。つまり、本規則の附則に列挙された者(Abidjan港湾局、San Pedro港湾局を含む)が提起したクレームに対して、EUの保険者やP&Iクラブが保証状の差入れや保険金の支払いを行うと支障が生じる可能性がでてくる。

一方、日本やパナマ等のEU以外の国は、Ivory Coast に対する制裁を行っておらず、日本法のもとで設立された当組合は、EU加盟国の国籍を持つ組合員でなくかつEU船籍ではない船舶のためには、Abidjan港湾局やSan Pedro港湾局からのクレームに対しても、基本的には保証状の差入れや保険金の支払いを行うことに支障はない。但し、当組合の「制裁法対応特別条項」の制約を受ける場合があることにご注意頂きたい(2011年2月25日付の当組合の特別回報「制裁法対応特別条項」)。
https://www.piclub.or.jp/index.php?active_action=journal_view_main_detail&post_id=1227&block_id=384&comment_flag=1#_384