ロシアNovorossiysk港パイロットの現状
2001/03/19 No.352
- 外航
現地法務代理人より次のとおり報告がありましたのでお知らせ致します。
「以前Novorossiysk港のパイロットは独立したパイロット協会によって運営されていたが、本年からは港湾当局直営のパイロットサービスにより運営されている。最近特にこの数ヶ月、係留作業中の事故が急増しており、保証状の要求などにより遅れが生ずることが懸念されている。さらに岸壁損傷事故などで船体に損傷が生じたときには、それほどの損傷でない場合でも港長は事故調査に加え、船体損傷についてクラスサーベイヤーの検査を要求する。その検査の手配には少なくとも24時間を要するため、遅れが生ずる結果となる。港長は規則上本船側のあらゆる過失又は見過ごしを探し出そうとし、それらを事故原因とすることで、港長管理下のパイロットサービスの評価の維持に努めようとする。
船主より次のとおり船長へ指示するよう勧めたい。
- パイロットが乗船したら、作業従事前にパイロットの適性及び能力を確認する。我々が関与したケースでは、着桟作業中にパイロットが酒を飲んでいた。
- パイロット乗船時に、本船の操船要領をパイロットに十分飲み込ませる。またパイロットカードへの署名を求める。
- 操船開始前にパイロットに次の項目を確認する。
- 係留方法
- 着桟要領
- 投錨の有無
- 次の項目をログブックに記載する。
- パイロット名
- タグ名
- 係留方法
- 天候状態
- 疑問あるパイロットの行為
- 操船開始前に全ての航海計器、特にコースレコーダーの操作状態を確認する。
- 係留作業中の全てのパイロットの指示及びタグの行動を、ベルブックに記載しておく。
- 前もって係留作業時の船首及び船尾の当直士官に係留方法などにつき指示しておき、またログブックに記録しておく。
- パイロットとタグのやり取りはロシア語になるので、パイロットに指示内容の全てを訳して知らせるよう要求し、状況を把握できるようにしておく。」