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1999/07/09

第99-007号 西暦2000年問題

| by:sysadmin
第99-007号
1999年07月09日
内航組合員各位

西暦2000年問題


西暦2000年問題に起因する本船のエンジン・システム、レーダー、その他航海機器の誤作動や船位測定システム(GPS)の誤作動の懸念については、組合員各位におかれましては、すでに最善の対策を取られているものと存じます。

本問題については、PI特別回報第98-003号、98-013号、98-020号及び98-025号にて早急な対応策の実施をお願いしてまいりましたが、今般、国際PIグループでは、最新の動きについて、添付別紙のとおりグループ共通回章を発行し、組合員各位の参考に供することと致しました。

同共通回章は、内航組合員各位の対策にも有用と思われますのでご一読お願い申し上げます。なお、同回章の中で触れております「2000年問題適正実務コード」、「船舶、港湾およびターミナルにおける西暦2000年緊急対応計画の要点」、「西暦2000年安全付属文書」及び「覚書」等の文書はすべて英文(「西暦2000年緊急対応計画実用ガイドライン」は、和文試訳がございます)で、分量も100頁を超える大部になりますので、ここでは添付を省略させていただきます。これら文書の入手をご希望の場合または添付共通回章の内容等に関するご質問がおありの場合は、当組合の各契約窓口までお申し付け下さい。

以上

1999年7月



組合員各位


国際PIグループ共通回章

西暦2000年問題

1999年3月15日付けPI特別回報98-025号をご参照願います。その中で1999年3月3日から4日にかけてロンドンにおいて米国沿岸警備隊(U.S. Coastguard)主催の会議が開催された旨ご案内申し上げました。この会議は、英国海上沿岸警備局(The United Kingdom Maritime and Coastguard Agency)との共催によるもので、国際PIグループを含む広範囲の海事関連団体の代表者が参加致しました。会議の当初の目的は、西暦2000年問題につき関係者間で共通の認識基盤を確立するために情報交換を行ない、できうれば2000年問題への対応策について合意を得ることにありました。

しかしながら、2日間の集中的な討論の後、この会議において、"Code of Good Practice"(2000年問題適正実務コード、以下「コード」)と"Key Elements of Year 2000 Contingency Plans for Ships,Ports and Terminals"(船舶、港湾およびターミナルにおける西暦2000年緊急対応計画の要点、以下「対応計画要点」)の2つが採択されました。この2つの文書は、IMOが回報No.2121としてメンバー政府とその関係団体に配布しています。

適正実務コード − 緊急対応計画

「コード」は、船舶運航者、港湾当局やターミナルオペレーターが西暦2000年問題に関連する機器の誤作動やシステムの故障といったリスクを小さくするために採るべき一定の予防措置を記載しています。「コード」の基本原則は、簡潔性と一般的標準性であり、これにより緊急対応計画立案に対する質問や提案等の不必要な繰り返しが避けられるものと期待されます。しかしながら、「コード」はできるだけ幅広い海運関係業界に実行されることによって初めてその効果を発揮します。「対応計画要点」は、海運業界関係者が、既存の緊急対応計画を補足・補完する西暦2000年緊急対応計画の要点を理解する上での手助けとなるための簡潔なガイドです。

しかし、これらの「コード」に記された予防措置を遵守することにより、船舶運航者は離路と遅延のクレームを、またターミナルオペレーターと港湾当局は遅延のクレームを受けるという事態が生じるかも知れません。それゆえ、これら「コード」の推奨する措置を実行した結果起こるであろう事態から船舶運航者、港湾当局やターミナルオペレーターを保護すると同時に、「コード」に記載されている諸原則を奨励するため、国際海運会議所は国際PIグループを含む業界団体と協力して、"Year 2000 Safety Protocol"(西暦2000年安全付属文書,以下「安全付属文書」)を作成しました。また、「安全付属文書」が必要とされた背景について説明した" Memorandum" (覚書)を作成しました。

「安全付属文書」の機能は西暦2000年問題による機器の故障やシステムの誤作動を原因とする事故や遅延に対する抗弁を提供するものではないということを強調しなければなりません。そうではなく、この機能は「コード」の該当項目で推奨されている実務に従ったための直接の結果に限り、その結果から船舶運航者を保護することを目的としたものです。

船舶運航者、用船者、港湾オペレーターおよび業界関係者を代表とする諸団体に「安全付属文書」が受け入れられれば、「コード」の基本理念、とりわけその第5、第6及び第7項で推奨されている実務がこれら関係者に支持されたこととなります。「安全付属文書」に賛同名寄せすることによって個々の事業団体はこれら実務の実行に伴う損失や責任についてはクレームをすべきではないということを了解したことになります。組合員におかれましては、「安全付属文書」の協賛者として登録されることをお勧め致します。

標準的挿入条項(西暦2000年安全付属文書)

船荷証券や用船契約書に「コード」を遵守することにつき契約上の効力を付与したいと考えている関係者には、「安全付属文書」の文言を取り込んだ特別な条項をこれらの契約書に追記することが必要となります。この条項は、「安全付属文書」の企画に加わった他の業界関係者の支持と助言に基づきBIMCOによって起案されています。文言は以下のとおりとなります。

原文 :"It is agreed that the Year 2000 Safety Protocol dated 14 June 1999 togetherwith the Code of Good Practice contained in IMO circular letter No. 2121 dated 5th March1999, shall be incorporated into this contract and that any practices implemented inaccordance therewith shall not be considered a breach of this contract nor form the basisof any claim in tort and shall be deemed taken in good faith and in the exercise of duediligence."

試訳 : 「西暦2000年安全付属文書(1999年6月14日付)は、IMOの1999年3月5日付け回報No.2121に記載されている適正実務コードと共にこの契約の一部であり、それに従い実行した実務の全ては、この契約の違反とはみなさず、不法行為に基づくどのようなクレームの根拠を形成することもなく、かつ信義誠実の原則に則り相当の注意を払って実行されたものであることに合意する。」

西暦2000年緊急対応計画実用ガイドライン

国際PIグループは国際海運会議所及び英国のJoint Hull Committeeを含む業界代表団体と共に、"Practical Guidelines for Year 2000 Contingency Planning"(西暦2000年緊急対応計画実用ガイドライン)の出版を支持してきました。このガイドラインは、緊急対応計画を準備している船舶運航者等の海運関係者に実務面での手助けを提供することを目的とするものです。

最後に、既に繰り返しご通知しておりますとおり、西暦2000年問題への対応を怠ったことに直接的又は間接的に起因するクレームについては、組合員は、組合の契約規定に従い、保険を手配していない当事者なら同じような状況下で、この種のクレームの発生を避けるために当然講じたであろう合理的な対策を講じたことを理事会の納得が得られる形で証明することが要求されますので改めてご注意申し上げます。組合員がこのような行動を取らなかった場合、クレームに対する保険てん補は、理事会の裁量により決せられることになります。

以上


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