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2015/07/07

第15-007号 トルコ-汚染に対する過怠金について

| by:国際部 編集用

印刷用:No.15-007(J)

第15-007号

2015年7月7日

 

外航組合員各位


トルコ-汚染に対する過怠金について


トルコでは、環境保護、特に陸上・海洋・大気を含む汚染に対して厳格な対応が採られています。

 

本回報は、トルコ水域での汚染物質の排出に関する規則の概要とその遵守についてご案内するものです。

 

1. Turkish Environmental Code 2872

 

1.1.Turkish Environmental Code 2872 (Code)は1983年に制定され、2006年に改定されています。同Codeは、陸上・海洋・大気汚染からの保護を含むトルコの環境法規制の枠組みを定めるとともに、汚染者負担原則を規定しています。

 

1.2.CodeのArticle 8では、適用される関連規則に規定される基準及び方法に違反して、環境に損害を与えるあらゆる種類の廃棄物を、直接か間接かを問わず、環境エリアに拡散すること、輸送すること、同様の行動を取ることを禁止しています。

 

1.3.Codeは、どのような物質が環境に損害を与える廃棄物と見なされるかについて明確に規定していません。トルコの当組合コレスポンデンツVitsan Mumessillik ve Musavirlik A.S.によると、現地当局は廃棄物の範囲を広範に解釈するとのことです。そのため、居住甲板や窓の洗浄に使用した海水やクリーンなバラスト水の排出でさえも汚染と見なされ、関係船舶に対して過怠金が課されるケースも発生しています。

 

1.4.調理室、洗濯室、洗面室で使用された生活排水について、特にCodeでは言及されていません。そのため、船長によっては生活排水の排出が禁止されていないと誤解している場合があるかもしれません。この点、全トルコ諸港では冷却水を除くあらゆる排水が禁止されることを常に留意する必要があります。

 

2. 過怠金の防止

 

2.1.船舶がトルコを通航、錨泊、寄港する際、通常、船主もしくは船長に対して現地代理店から汚染を防止するための事前注意がなされます。船長並びに全ての船員は現地規則を理解し、トルコ水域では塗装、油、ビルジ、クリーンバラスト水、ダーティーバラスト水、残渣、廃棄物、汚水、下水、洗濯水、洗面水、シャワー水、錆等を含むあらゆる物質の排出が原則禁止されていることをきちんと認識しなければなりません。

 

2.2.また、コレスポンデンツによると、Tuzla, Istanbulの造船所で汚染による過怠金を課せられるケースが増えているそうです。そのため、コレスポンデンツは、造船所で船舶の修繕を行う場合、造船所と船主が締結する作業請負書の中に、本船が造船所の管理下にある間に生じた汚染事故に関して課せられた過怠金については船主ではなく造船所が責任を負う旨の条項を挿入することを推奨しています。

 

2.3.さらに、コレスポンデンツは、トルコに寄港する場合、以下のアドバイスを船長に送付することを提案しています。


a)甲板の全ての排水口を塞ぐこと。

 

b)タンクがクリーンである確証がない限りバラスト作業は行わないこと。


c)本船からあらゆる排出をしないこと。

 

d)本船が認可された下水設備を備えている場合でもトルコ寄港中は当該下水設備は使用しないこと。

 

e)居住エリア、調理室、洗面所、洗濯室、洗面台等の本船上のあらゆる場所からの排水は一つの

  貯蔵タンクに移送すること。

 

f)上記e)に挙げた排水を貯蔵するタンクを備えていない場合、本船外に接続する上記e)記載のエリアの

  パイプを塞ぎ、トルコ寄港中は排出しないこと。

 

g)甲板洗浄やハッチカバーのホーステストは実施しないこと。

 

h)甲板からの排水の流出を防ぐためデッキエッジプレートを設置すること。

 

i)操舵室、船首及び船尾甲板倉庫、緊急消防室の下水管の排出口を塞ぐこと。

 

j)以下の排水及び物質の投棄、廃棄、排出は禁止されている:廃棄物、食品廃棄物、貨物残渣を含む

  あらゆる種類の汚物、ゴミ、錆、油、油水、ビルジ、油物質、焼却残渣、ファンネルからの黒煤。

 

k)上記アドバイスはドライドックや修繕のため造船所に寄港する船舶にも適用される。船舶の修繕の場合、

  船舶の周囲はオイルブーム等で保護すべき。造船所のスタッフ及び作業員の業務は注意深くモニター

  すべき。造船所スタッフ・作業員の過失や不適切な設備の使用が確認された場合には、即座に造船所に

  通知する必要がある。

 

3. 汚染に対する過怠金

 

3.1.トルコにおける汚染に対する過怠金のタリフは毎年更新されます。2015年1月1日から2015年12月31日まで適用される最新タリフは以下の通りです。

 

(1)タンカーによる石油及び石油製品の海上流出

a) 1,000総トンまで:1トン当たり77.46トルコリラ

b) 1,000総トンから5,000総トンまで:1トン当たり19.32トルコリラ

c) 5,000総トン以上:1トン当たり1.86トルコリラ

 

(2)タンカーによるダーティーバラストの海上流出

a)1,000総トンまで:1トン当たり58.08トルコリラ

b)1,000総トンから5,000総トンまで:1トン当たり11.58トルコリラ

c)5,000総トン以上:1トン当たり1.86トルコリラ

 

(3)船舶及びその他の海上輸送手段による石油及び石油製品並びにダーティーバラストの海上流出

a)1,000総トンまで:1トン当たり38.71トルコリラ

b)1,000総トンから5,000総トンまで:1トン当たり7.71トルコリラ

c)5,000総トン以上:1トン当たり1.69トルコリラ

 

(4)船舶及びその他の海上輸送手段による廃棄物及び排水の海上流出

a)1,000総トンまで:1トン当たり19.32トルコリラ

b)1,000総トンから5,000総トンまで:1トン当たり3.82トルコリラ

c)5,000総トン以上:1トン当たり0.73トルコリラ

 

4. 過怠金のてん補


4.1.当組合保険契約規定第31条1項4号は、「意図されたものではない偶発的な流出又は排出」による汚濁に関する規則の違反に対する過怠金をてん補する旨規定しています。従いまして、意図的な排出による過怠金については、例えそれが規則の誤解や不知の結果であったとしてもてん補されません。組合員の皆様におかれましては、船長に対して、規則並びに全トルコ諸港では冷却水を除くあらゆる排水が禁止されることを十分に理解するようご指示下さい。

 

以上

 

 


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